楽天証券の投信付与ポイントが変更、米国株など一部は減額に

楽天証券の投信付与ポイントが変更、米国株など一部は減額に

このページに書いてある内容は、古いです。

 2021年8月1日から、楽天証券のハッピープログラムによる投資信託の付与ポイントが変更になるそうです。

 7月末までは一律、毎月残高10万円ごとに4ポイントでしたが、8月以降は投資信託の信託報酬によってポイントが増減して、高いものは10万円ごとに10ポイントに増えるのですが、報酬が低いものは3ポイントに減少、ファンドによってはポイント無しになるそうです。

このページでは、

  • ハッピープログラムのポイント付与ルールの変更点
  • 低コストファンドのポイント還元率で優位さは無くなったのか?

について、僕なりにまとめてみました。
変更点については、楽天証券のWebサイトで公式発表されたものをご確認ください。

楽天証券の詳細ページはこちら→https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20210625-03.html

2022年4月からは、更に変更になりました。

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7月末までは一律、毎月残高10万円ごとに4ポイント

 7月末までの現行の制度では、どの銘柄であっても保有している投資信託の月間平均残高が10万円ごとに4ポイントでした。

 月間平均残高というのは、そのまま1カ月の保有残高の平均額ですね。
 月末に10万円あれば良い、というものではなくて、1日から月末日までの毎日の残高を合計して、その月の日数で割った値になります。

 今までは信託報酬が1%を超えるアクティブファンドも、0.1%未満のインデックスファンドも違いが無く、全てのファンドを合計した月間平均残高に対して、10万円ごとに4ポイントが貰えていました。

 しかし、8月以降はアクティブファンドとインデックスファンドでは貰えるポイントに差がつくようになります。

2021年8月からは、手数料率でポイントが変わる

 8月からは、楽天証券が受け取る手数料率でポイントが変わるようになり、高いものは10ポイントに増えるのですが、手数料が低い一部のインデックスファンドは3ポイントに減ります。

 また、手数料が低いファンドのうちごく一部は、ポイント無しになります。

 手数料率が年率1.00%以上の銘柄が10ポイントに増えるのですが、ここで言う「手数料率」は「楽天証券が受け取る手数料率」であって、信託報酬率ではないので注意が必要です。

手数料率が年率1.00%以上の銘柄は10ポイントに増える

 手数料率が1%以上、というと多くのアクティブファンドが当てはまりそうに思えますが、信託報酬が1%なら多いのですが、証券会社が受け取る手数料が1%を超えるファンドはそう多くはありません。

 証券会社が受け取る手数料は信託報酬の半分弱なので、信託報酬が2%以上のファンドでないと、この10ポイントには該当しないのです。

 金融機関の担当者とかなら進めてきそうですが、自分で探すネット証券ではそうそう目に入ることもないファンドだと思います。

手数料率が年率0.50%以上の銘柄は5ポイントに増える

 手数料率が0.5%以上、1%未満の銘柄は5ポイントに増えます。

 信託報酬だと1%強の銘柄で、アクティブファンドの多くはここに該当するかと思います。
 実際、楽天証券で取り扱っている銘柄のうち、3分の2くらいがここに入っています。

 ランキング上位の銘柄だと、ひふみプラスなどがここに入っています。

 多くの銘柄がここに入るので、「一部の銘柄を除いて、大半の銘柄でポイントを増やしています」と言えなくもないですね。

年率0.05%以上0.50%未満の銘柄は4ポイントで据え置き

 手数料率が0.05%以上、0.50%未満の銘柄は4ポイントのまま据え置きです。

 信託報酬が0.1%強のインデックスファンドの多くはここに該当して、今までと同じポイントが貰えます。

 僕が保有している銘柄だと、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」がここに入りますね。

 eMAXIS Slimシリーズのうち、国内株式、新興国株式、債券、バランス、リートなどはここに入ります。

 手数料の低いインデックスファンドでも、ほとんどはポイント据え置きで変わらないですよ、ということですね。

年率0.036%以上0.05%未満の銘柄は3ポイントに下がる

 インデックスファンドでも多くの銘柄は4ポイントから変わらないのですが、信託報酬が0.1%を少し超える程度のものや、0.1%以下の一部のインデックスファンドは、ポイントが4ポイントから3ポイントに下がります。

 ここに該当する銘柄はたったの7種なので、全部挙げますね。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ 外国株式インデックスファンド
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

 これらのファンドは8月からポイントが減額です。
 この7銘柄と後述の3銘柄以外は、据え置き又は増加になります。

 まあ、ここを減らしたかったんでしょうね。

 とはいえ、わからなくもないんですよ。
 たとえば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で証券会社が受け取る手数料は0.0374%です。
 10万円につき4ポイントを配ると、ポイント還元率は最大で年0.048%になります。

 年0.0374%の手数料を受け取って、0.048%を還元したら、赤字ですね。

 これが3ポイントになると、還元率は0.036%になって、なんとか0.008%の黒字になります。

 銀行預金かよってくらい低いですね。

手数料率が年率0.036%未満の銘柄は、ポイント無し

 信託報酬は0.1%以上であっても、楽天証券が受け取る手数料が年率0.036%未満の銘柄は、ポイントが無くなります。

 ここは該当銘柄が3つですね。

  • SBI・先進国株式インデックス・ファンド(雪だるま(先進国株式))
  • SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))
  • SBI・新興国株式インデックス・ファンド(雪だるま(新興国株式))

 運用会社に作為的な何かを感じずにはいられませんが、手数料が少ないんじゃ仕方ないですね。

他の証券会社の還元率より低くなる銘柄も

 前述の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は最大で「年率0.036%」になるわけですが、例えばSBI証券の投信マイレージサービスのポイント付与率は「年率0.0374%」なので、これよりも還元率が低くなってしまいます。

楽天証券年率0.036%(最大値、10万円未満は切り捨て)
SBI証券年率0.0374%(概ね32,000円以下は切り捨て)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のポイント還元率

 ポイント還元率が高いから、楽天証券で積み立てしていたのに…。

 裏切られた気分です。

 ですが、投信積立のポイント還元は、残高に対するポイント付与だけではないです。
 まだカード決済のポイント還元があります。

カード決済によるポイント還元率は、そうそう覆らない

 楽天証券には投信残高へのポイント付与だけではなく、カード決済による1%のポイント還元があります。

 他の証券会社でもカード決済でポイント還元がありますが、還元率が0.5%のものが多いです。

 購入時に0.5%の差がついているわけですが、年率0.0014%で0.5%の差を埋めるには、一体何年かかるのでしょうか。

 およそ350年くらいですかね。

 楽天証券のポイントプログラムは残高10万円毎なので、端数が多く出やすいですし、運用益でも多少縮まるかもしれませんが、生きてるうちに逆転するのは難しいんじゃないかなーと個人的には思います。

購入時1%+年率0.036%購入時0.5%+年率0.0374%
10年後1.36%0.874%
20年後1.72%1.248%
50年後2.8%2.37%
100年後4.6%4.24%
購入時の0.5%差は大きい

 端数が多く出て年率が半分の0.018%になったとしても、20年後は「1.36%」になります。
 つみたてNISAの20年の間にポイント効率で逆転されることはなさそうです。

ポイント還元はあくまでおまけ、内容で勝負しよう

 僕はお金を貰っているわけでもないので、どこかの証券会社に肩入れするというつもりはないです。

 ポイント還元は証券会社のサービスの1つではありますが、それが全てではなく、金融機関によってさまざまなサービスやら何やらがあるので、いろいろなことを複合的で総合的な判断を考慮して、慎重に取引先を決めるのが良いのではないかと思います。

 最後に、 お決まりの一文を添えて絞めておきましょう。

個人の感想です。投資活動、特定の商品の購入等を推奨するものではありません。

僕が楽天証券で積み立てている投信の状況なんかを紹介しているページもありますので、「投信積立ってどんな感じなの?」という方には参考になることがあるかもしれません→投信積立過去ログページ

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