【投資信託】楽天・全米株式インデックス・ファンドで資産を増やそう

【投資信託】楽天・全米株式インデックス・ファンドで資産を増やそう

 今回は投資信託の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」について、僕なりに分析してみました。

 僕は米国株式のなかでも、S&P500指数に連動するインデックスファンドを中心に長期投資をしているのですが、米国企業には勢いのある新興企業もあるわけで、S&P500指数への投資だけでは大型株中心の投資になってしまいます。

 そこで目を付けたのが「全米株式インデックス」。
 そして、全米株式インデックスに投資できる「楽天・全米株式インデックス・ファンド」です。
 大まかに説明すると、

  • S&P500ではカバーできない、新興の成長企業や割安企業に投資できる。
  • 自分で米国市場で買うよりも楽に、少額から米国のVTI ETFに投資できる。
  • 自分でVTI ETFを買って分配金を再投資するよりも、高いリターンが期待できる。
  • S&P500の投資信託と比べると信託報酬が割高に感じるけど、競合商品が無いなかでは良心的。だった。

 こんな感じでしょうか。
以上の理由により、僕はS&P500のファンドをメインにしつつ、このファンドも積み立てることにしました。

 このページでは、

  • 楽天・全米株式インデックス・ファンドとはどんな投資信託なのか?
  • このファンドが投資している「VTI」というETFはどのようなものか?
  • 「VTI」ではなく「楽天・全米株式インデックス・ファンド」に投資をする理由・メリットは?

などについて、解説したいと思います。

 ※あくまでも、やすふじ個人の感想です。「こういう考え方もあるんだな」程度に留めて、目論見書や運用報告書などをよく読んで投資判断をしましょう。

 目論見書は楽天投信投資顧問社のウェブサイトなどで確認できます。
 目論見書は楽天投信投資顧問社のウェブサイトはこちら(新しいタブで開きます)→https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivue/

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どんなファンド?

どんな投資信託なのか?
どんな投資信託なのか?

 「楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」という愛称がついています。
 米国バンガード社の「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」に投資する投資信託です。

米国ETFの「VTI」に投資する

 「VTI」の詳細はバンガード社のウェブサイトなどで確認したほうが良かったのですが、バンガード社の日本撤退があり、日本語のWebサイトが見つからなくなってしまいました。

 米国株式というとNYダウ平均、ナスダック、S&P500などの指数があって、指数に連動するインデックスファンドは多数あるのですが、それぞれの指数は米国の上場企業のうちの一部を抜き出した形になっているので、多少の偏りが出てきます。

「VTI」は米国上場企業のほぼすべてが投資対象

 S&P500はアメリカを代表する約500社の大企業が対象になりますが、「VTI」は米国株式市場の投資可能銘柄ほぼすべてが投資対象になっています。
 なので、「VTI」はS&P500に採用されていない新興の成長企業なども投資対象になっているのです。

 最近だと、今はS&P500に採用されましたが、テスラ社の例がありますね。他の例は知らないのですけど。
 「VTI」ならそういった急成長する企業の株価上昇も拾えるのではないか、と思いました。逆に衰退していく企業も対象に入ってしまうでしょうけど…。

VTIは経費率が年0.03%と格安

 米国のETFは信託報酬ではなく、経費率と表記されているのですが、「VTI」の経費率は「年0.03%」と、格安の費用で運用されています。

 日本国内で販売されている投資信託にも、信託報酬の低いファンドが出てきていますが、米国の巨大ファンドにはまだまだ及ばないようですね。

VTIの価格は20年で約4倍に

VTI価格チャート2001.6.1~2021.12.17
VTI価格チャート2001.6.1~2021.12.17
画像はgoogle検索結果のスクリーンショットです

上の画像は、VTIの2001.6.1~2021.12.17の価格チャートになります。

リーマンショックなどで価格が大きく下がることもあります。
でも、20年と6カ月で、58ドルだったETFの価格は、235ドルまで上昇しています。

約4倍です。

ETFの価格だけでもかなりの上昇なのですが、それとは別に、毎年4回の分配金があります。
分配金が、年1.2%~1.3%くらい。

その分配金を再投資し続けていたら、利益は4倍どころではないですね。

S&P500より高いリターンになる、こともある

全米株式インデックスとS&P500インデックスの比較チャート
全米株式インデックスとS&P500インデックスの比較チャート
画像はYAHOO!JAPANファイナンスのスクリーンショットです https://finance.yahoo.co.jp/

 上の画像は「楽天全米株式インデックスファンド」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の2020年7月~2021年7月の基準価額を比較したチャートになります。
 青の「9I312179」が楽天全米株式で、ピンクっぽい「03311187」がeMAXIS Slim米国株式(S&P500)です。

 大きな差が開いているわけではないのですが、上の画像の期間では少しだけ楽天全米株式のほうがリターンが高くなっています。
 後述する信託報酬では少し割高になるのですが、基準価額はその信託報酬を差し引いた後の価格なので、経費を引いたら逆転していた…ということは無いはずです。

 年間では小さな差でも、長期間の投資になれば大きな差ができている、かも。

 ちなみに、自分で比較チャートとかを見たらわかることなのですが、切り抜く期間を変えたら優劣は逆転します。

2021年はVTI(全米株式)よりもVOO(S&P500)のほうが優勢だった

VTIの2021年4月~2022年4月1日価格チャート
VTI(全米株式)の2021年4月~2022年4月1日価格チャート
画像はGoogle検索結果のスクリーンショットです

2021年4月~2022年4月1日の価格チャートを比較すると、VTI(全米株式)が+8%程度に対して、

VOOの2021年4月~2022年4月1日価格チャート
VOO(S&P500)の2021年4月~2022年4月1日価格チャート

VOO(S&P500)は+11.5%でした。
この期間では、全米株式よりもS&P500のほうがリターンが高かったことになります。
 このように、どちらが優れている、というのは一概に言えるものではありません。

楽天全米株式ファンドの信託報酬は「年0.162%」

 「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の信託報酬は「0.162%」です。
 詳しいことは目論見書に書かれています。

 この「0.162%」には、投資先ETFの経費率「0.03%」が含まれています

 信託報酬「0.132%」+VTIの経費率「0.03%」=「0.162%」になっています。

 S&P500の投資信託には信託報酬が0.1%を下回るファンドもあるので、それ比べたら割高に感じますが、全米株式に投資するファンドは少ないのです。
 競合するファンドはあっても、販売している金融機関が限られています。

 多くの金融機関で取り扱っているファンドでは、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が一択になっているのが現状なので、独占に近い状況を考えると控えめな信託報酬率ではないかと思います。

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投資信託を選ぶ理由は?

なぜ投資信託なのか?
なぜ投資信託なのか?

 じゃあ「VTI」っていうETFを買えば良いんじゃないの? 
となるのですが、僕がETFではなく投資信託を選ぶのには理由があります。

ETFの購入には手数料などの費用がかかる

 他のページにも書いたのですが、米国市場の株式やETFに投資するのって、面倒なんですよね。「NISA口座なら海外市場の手数料が無料」とかやってる証券会社もありますけど、僕はつみたてNISAを利用しているので、NISA口座でETFを買うことができません。

 なので、少々ETFの経費率が安い程度では、購入手数料やら為替手数料やらで割高になってしまいます。
 購入時に手数料を請求される場合もありますが、ファンドが設定している購入時手数料や信託財産留保額はありません。
 販売する金融機関が別途手数料を設定していることもありますが、大抵のネット証券なら追加の手数料は無いと思います。そこは要確認ですけどね。

投資信託と海外ETFの比較については、全米株式ではなくS&P500指数についてですが解説しているページがありますので、そちらも見ていただければと思います。

100円からの少額で投資ができる

 加えて、2021年2月5日の時点で、「VTI」の価格は1口200ドルを超えています。日本円だと2万円を超えますね。
 米国株高と円安ドル高で、2021年末には1口3万円に近づいています。

 投資信託なら、証券会社によりますが100円から投資可能です。クレジットカード決済ができる証券会社なら、ポイントも貰えてさらにお得ですね。

 ポイント投資ができる証券会社もあるので、ちょっと貯まった数百ポイントで投資をやってみる、ということもできます。

つみたてNISAで保有できる

 海外ETFは一般NISA口座では保有できますが、つみたてNISA口座では保有できません。
 「楽天・全米株式インデックス・ファンド」なら、つみたてNISA口座で保有できるので、長期間、非課税で保有することができます。

ETFは分配金に税金がかかる

 更に加えると、ETFは分配金に税金がかかります。投資信託も売却益に税金がかかりますが、分配金を出さなければ、保有中は税金をとられません。NISA口座なら売却益も非課税ですね。
 海外株式の配当金やETFの分配金には、米国と日本で2重の税金を取られます。

 米国で10%、日本で20.315%です。

 日本の税金は米国で課税された後の金額にかかるので、単純に合計した30%まではいかないのですが、それでも28%の高い税金になります。
 二重課税になる分は確定申告すれば取り戻すことも可能ではあるのですが、面倒ですよね。

 ETFと投資信託の税金の話は別のページで少し詳しく解説していますので、そちらをご覧いただければと思います。

ただし、米国でVTIの分配金に課税されている

 別のファンドの解説ページにも書いたことなのですが、このファンドは米国でETFに投資をしているので、ETFの分配金を受け取っています。

 そのため、日本では分配金の課税は無いのですが、米国では分配金に課税されています。

 信託報酬だけでなく、「VTI」の分配金の10%が米国の税金で目減りしていることには注意が必要です。

 あくまでも、自分で「VTI」に投資するよりは有利になるかも、ということです。

 ETFに投資するタイプの投資信託については似たファンドがあるので、そちらで詳しく解説しています。

対抗ファンドが登場した

 2021年6月29日に、SBI証券で「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」が登場しました。
 同じ「VTI」ETFを投資対象としたファンドで、信託報酬は「0.0938%程度」となっています。

 VOOのあれは『自分でVOOを積み立てるより高いリターンが期待できる(他のファンドはリターンの比較対象としていない)』というものなのですが、同じETFを投資対象としたファンドになると信託報酬の差がリターンに反映されそうです。

 運用開始初期はキャンペーンを大きくうって、がっつり経費を引かれそうですが。

 いまのところ、そのファンドに投資できるのはSBI証券だけのようです。

 楽天証券で積み立てていれば、多少の信託報酬の差は貰える楽天ポイントで覆せる…かと思われていたのですが、投信残高が増えても、毎月の楽天ポイントは貰えなくなるようです。

 となると、楽天全米株式ファンドもSBI証券で積み立てれば、「投信マイレージ」サービスでポイントが貰えるので、そちらに移ったほうがポイントが期待できるのですが…SBI証券なら、「SBI・V・全米株式ファンド」があるわけで…。
 しかしマネックス証券やauカブコム証券など、カード決済でポイント還元の受けられる証券会社も増えているので、選択の幅は広がっていると思います。

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まとめ

まとめ
まとめ
  • 全米株式インデックスは、S&P500ではカバーできない、新興の成長企業や割安企業などにも投資できる。
  • S&P500指数のファンドよりも、高いリターンになることもある。
  • 自分で米国市場でETFを買うよりも楽に、少額から米国のVTI ETFに投資できる。
  • 自分でVTI ETFを買って分配金を再投資するよりも、高いリターンが期待できる。
  • つみたてNISA口座で、長期間、非課税で保有できる。

 なんだかんだ言って、直近のリターンが高いから買っておこうっていうのが大きな決め手、だったのですが…。

 2021年は、VTIよりもVOOのほうが価格上昇では上だったんですよね…。

 2021年6月までは全米株式に投資するなら「VTI」を直接購入するか、このファンドかの2択に近い状態でしたが、対抗するファンドが登場したので今後は悩みそうです。

 現状では販売する証券会社が限定されるので、他の証券会社で積み立てるなら「楽天・全米株式インデックス・ファンド」しか選べないのですが…。

 やすふじの投資信託の運用状況は、こちらの投信積立運用状況ページで見ることができますので、興味がありましたら是非ご覧ください。

 他の投資信託の解説ページ一覧はこちら→ファンド解説のページ

※個人の感想です。特定の商品への投資を推奨するものではありません。

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