低コストのインデックスファンドとして注目の、SBI・Vシリーズ。
今回は、そのSBI・Vシリーズの中から、「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」を取り上げたいと思います。
世界経済をけん引する米国企業への投資が、無難かつ高いリターンが期待できると、日本国内の投資家からも人気を集めています。
米国株式には代表的な指数として、
- ダウ平均株価
- S&P500指数
- NASDAQ100指数
などがあります。
これらの指数に連動するように運用している投資信託はいくつかあるのですが、指数に選ばれる企業は限られた大企業だけになってしまいます。
NASDAQ100指数ならハイテク企業が中心になるなど、多数の企業に分散投資できるインデックス投資でありながら、投資先が少し偏りがちになってしまいます。
そこで、今回ご案内するのがこちら。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド。
全米株式というだけあって、米国株式市場に上場している大小さまざまな企業、約4000社。
そのほぼ全てが投資対象になっていて、それでいて低いコストで運用されているのです。
この『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』を大まかに説明するとこんな感じです。
- 米国の上場企業ほぼ全てに分散投資できる。
- 全米株式に投資できる投資信託の中では、信託報酬が最安値(2022年1月、やすふじ調べ)。
- 米国市場でETFを買うよりも少額で投資できて、期待できるリターンも高いらしい。
- SBI証券でしか購入できない。
このページでは、
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンドとはどのような投資信託なのか?
- このファンドが投資するVTIとは?
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンドのメリット、デメリットとは?
- 楽天・全米株式インデックスファンドと何が違う?
などについて、解説したいと思います。
※あくまでも、やすふじ個人の感想です。「こういう考え方もあるんだな」程度に留めて、目論見書や運用報告書などをよく読んで投資判断をしましょう。
目論見書はSBIアセットマネジメント社のウェブサイトなどで確認できます。
SBIアセットマネジメント社のWebサイトはこちら→http://www.sbiam.co.jp/fund/report/sa_2021062901.html
SBI証券の特集ページはこちら→https://go.sbisec.co.jp/lp/lp_sbi_v_series.html
※SBIアセットマネジメント社のWebサイトがHTTPSになっておらずセキュリティ面で懸念があるため、リンクは外しています。
「SBI・V・全米株式」とは、どんな投資信託なのか?
愛称は「SBI・V・全米株式」です。
『CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)』という指数に連動することを目標に運用しています。
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」が投資対象
目標とする指数はあるのですが、このファンドがやっているのは「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」、通称「VTI」というETFを買っているだけです。
日本でお金を集めて、米国でETFを買っているだけなので、運用コストが少ないのです。
通常のインデックスファンドは指数と同じ比率になるように、機械的に株式を売買するだけなので、アクティブファンドよりも低コストで運用できています。
しかし、このファンドはETFを売買するだけなので、他のインデックスファンドよりも更に低コストで運用ができるのだと思われます。
信託報酬は格安の年0.0938%程度
「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」の信託報酬は、年0.0938%程度です。
0.1%を切っています。
同じ「全米株式」の名を持つ『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の信託報酬は、年0.162%なので、信託報酬の低さが際立ってくるかと思います。
ファンド名 | 信託報酬 |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 年0.0938% |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 年0.162% |
信託報酬の僅かな差でも長期投資では大きな違いに!?
『楽天・全米株式』と『SBI・V・全米株式』の信託報酬の差は、年0.0682%あります。
100万円投資していたら、引かれる信託報酬が年間で682円違います。
毎年信託報酬が引かれていくと、15年後には1万円の差がつくことになります。
つみたてNISAの800万円、20年間では10万円もの差がつくことも!?
つみたてNISAの非課税枠は最大800万円。
それを20年間運用すると、その差は…
実際にはつみたてNISAでは少額の投資を積み立てていくので、こうはなりません。
800万円を一括で投資して、リターンがゼロだった場合の参考値です。
しかし僅か0.0682%の差でも、800万円のまとまった金額を20年間運用したら、差額は10万円を超えます。
これが、インデックス投資では信託報酬が小さいファンドが良い、と言われるところです。
ただ、信託報酬の差がファンドのリターンの決定的な差になるとは限らないのですけど。
総経費は0.10%~0.11%かな?
日本の投資信託は「信託報酬」を前面に出していますが、投資信託は信託報酬以外にも、ファンドの運用でかかった経費などがファンドの資産から差し引かれます。
『SBI・V・S&P500』と同等の経費率になりそう
同じSBIアセットマネジメントが運用するSBI・Vシリーズの『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の信託報酬は、『SBI・V・全米株式』と同じ年0.0938%です。
その『SBI・V・S&P500』の信託報酬+経費は、年間0.10%~0.11%程度だったので、『SBI・V・全米株式』も同じ程度の経費になるのではないかと思います。
『SBI・V・全米株式』の総経費も初年度は0.11%
『SBI・V・全米株式』の初年度2021年6月29日~2022年7月11日の総経費も、0.11%でした。
「VTI」というETFとは?
次は、この投資信託が買っている「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」、VTIについて見ていきましょう。
VTIとは、その名の通り米国のバンガード社が運用している、市場の全ての株式を集めたETFです。
米国の上場企業ほぼ全ての株式を1つにまとめたようなもの
ETFって何?
と聞かれると、解説が長くなってしまうのですが…。
米国の全ての上場企業の株式を一通り買うと、多額の資金が必要になります。
個人で買うのは、なかなか難しいです。
そこで、沢山の人からお金を集めて株を買って、出したお金の額で権利を分ける、そんな感じです。
VTIは「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に連動するように運用しています。
このVTIというETFを買うことで、米国のほぼすべての上場企業の株式を、1株に満たないほんの少しずつ買ったことになるのです。
大企業の比率が高いが、小型株にも投資するので分散効果が高い
組入上位10銘柄 | VTIの保有比率 | VOOの保有比率 |
アップル | 5.90% | 7.00% |
マイクロソフト | 5.00% | 5.90% |
アルファベット | 3.10% | 3.80% |
アマゾン・ドット・コム | 2.60% | 3.10% |
テスラ | 1.70% | 2.10% |
バークシャー・ハサウェイ | 1.40% | 1.70% |
ユナイテッドヘルス ・グループ | 1.20% | 1.40% |
ジョンソン&ジョンソン | 1.10% | 1.40% |
メタ・プラットフォームズ | 1.10% | 1.30% |
エヌビディア | 1.10% | 1.30% |
米国のほぼ全ての上場企業が投資対象なので、新興の成長企業なども投資対象になっています。
大型株だけに絞ったS&P500指数と違って、小型株が急騰した際にも、VTIなら利益を拾える、ということになるのですが…。
保有銘柄の大半はS&P500指数と重複している
保有比率は時価総額の大きい銘柄ほど多くなります。
大型株が多く、小型株は少なくなっているので、S&P500指数に採用されている大型企業の保有比率が高いです。
全米株式がS&P500指数よりも大きく値上がりする、ということはあまり期待できないのかもしれません。
ごく少数保有の銘柄が急騰しても殆ど影響が無い
保有比率が0.01%の企業が株価2倍になっても、殆ど影響がないです。
でも、株価が数十倍になるほど大きく成長した企業があれば、そこそこ影響があるかもしれません。
VOOとVTI、どちらも大企業の比率が大きいのですが、1つの企業の保有比率はVOOよりもVTIのほうが少なります。
特定の企業の株価が大きく下がった際には、保有比率が少ないVTIのほうが、傷は浅いかもしれません。
急落銘柄があった場合、保有比率が少ないほうが損失は少ない
例えば、アップル社の株価が半分になった場合。
VOOは組み入れ比率が7.00%なので、半分になると3.50%減ります。
VTIは組み入れ比率が5.90%なので、半分になると2.95%減ります。
VOOとVTIでは損失に0.55%の差が出ます。
広く分散投資して1社の保有比率を下げることで、万が一のときにダメージを軽減できる場合があります。
VTIよりも多くの企業に分散投資できるファンドに、全世界株式ファンドというものもありますが、それだと米国への投資ではなくなってしまいますね。
運用実績は20年以上、価格は4倍以上に
画像はGoogle検索結果のスクリーンショットです
上の画像は、VTIの運用が開始された2001年から2021年末までの価格推移を表したチャートになります。
リーマンショックやコロナ禍などで大きく値を下げている期間もあります。
でも20年以上つぶれることなく、運用が続いています。
2001年6月には約58ドルだったETFの価格は、2021年末には241ドルまで上昇しました。
約20年で、4倍です。
ETFの価格も上昇していますが、年4回の分配金もあります。
年間の分配金利回りが1~2%程度らしいので、分配金込みのトータルリターンは、4倍どころではないですね。
2022年始からは下落が続く
画像はgoogle検索結果のスクリーンショットです
2021年は米国株の高騰が続いていましたが、2022年は年始から下落が続いています。
2022年始に242ドルの高値だったのが、5月には200ドルを割りました。
半年も経たずに20%の大きな下落になっています。
しかし、少し上の長期チャートでも大きな下落がありますが、その後に下落前よりも高値になっています。
僕としては安く買い増しできる機会だと思いますが、今後も下落した後に上昇に転じる保証はどこにも無いですし、自分の資産が減ることが怖いと思う方は投資は辞めておいたほうが無難です。
VTIの経費率は年0.03%
VTIの経費率は年0.03%と、日本の投資信託などと比べるととても低い経費で運用されています。
このVTIの経費0.03%は、『SBI・V・全米株式』の信託報酬0.0938%の中に含まれています。
『SBI・V・全米株式』の信託報酬と『VTI』の経費率を合わせて「年0.0938%程度」です。
『SBI・V・全米株式』を選ぶメリットとは?
VTIを買った方が経費率も低いし、余分な信託報酬を取られなくて良いのでは?
確かにそうなのですが、信託報酬を払ってでも投資信託、『SBI・V・全米株式』に投資したほうが良いこともあるのです。
最少額で100円、投資信託は低額で投資できる
上の方でも触れていますが、VTIというETFは1口が200ドルくらいします。
1ドル130円で計算しても、1口で26,000円になります。
ちょっと高いですね。
円からドルに替えるのに手数料も取られるでしょうから、ETFの価格以上にお金がかかります。
それに対して、SBI証券で投資信託を購入する場合、最低価格は100円です。
『SBI・V・全米株式』なら、100円ぶんの全米株式に投資できるのです。
ETFの定額買い付けは値上がりで買えなくなることも?
ETFを毎月1口ずつ買う、ということもできますが、ETFの価格もドル円の為替も日々変化します。
毎月3万円ずつETFを買う、という定期購入もできるでしょう。
でも気付いた時には3万円では1口も買えなくなっていた、ということがあるかもしれません。
1口220ドル、1ドルが140円になったら、それでもう3万円を超えてしまいます。
投資信託なら、毎月1万円、毎日千円など、決まった金額を投資することができます。
分配金を再投資して、複利の効果が得られる
『SBI・V・全米株式』はVTIというETFを買っているので、ETFの分配金を受け取っています。
受け取った分配金は、ファンド内で自動的に再投資をしています。
ETFを保有して分配金を再投資すると、1口に満たない金額を再投資できない
個人でETFを保有している場合でも、受け取った分配金でETFを買い増すことはできます。
でも、VTIは1口の単価がそこそこ高いです。
VTIの分配金が年1~2%くらい。
それを年4回に分けて受け取ることになります。
1度に受け取る分配金は0.25%~0.5%程度でしょうか。
数百口を保有していないと、再投資するには金額が不足してしまいます。
数百万円ぶんを保有していれば1口分に足りるかもしれませんが、端数が出てしまいます。
1口に満たない端数は、現金で保有している時間ができてしまいます。
現金で持っている間に株価が値上がりするかもしれませんし、保有口数が増えないと受け取れる分配金も増えません。
再投資の効率は少し悪くなってしまいます。
投資信託なら少額でも複利の効果が得られる
投資信託がファンド内で再投資してくれれば、少額の投資であっても分配金を効率よく再投資でます。
1口に満たない金額でも再投資できるので、株価が値上がりすれば利益になりますし、受け取る分配金も増えます。
ETF1口に満たない少額の投資でも、複利の効果が得られます。
日本で課税前に分配金を再投資でき、効率が良い
ETFの分配金を受け取ると、税金を引かれます。
VTIは米国のETFなので、米国で10%、日本で20%くらい取られます。
『SBI・V・全米株式』に投資した場合、VTIの分配金はファンド内で再投資が行われます。
米国の10%の税金は取られるのですが、日本の20%を引かれる前に再投資することができます。
そのため、自分でVTIを保有して分配金を再投資するよりも、日本の税金分を多く再投資できることになります。
だから、自分でVTIを保有するよりも、『SBI・V・全米株式』に投資をした方が、高いリターンが期待できる、ということになるのです。
つみたてNISAで非課税で保有できる
『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』は、つみたてNISAを利用して、非課税で長期の積み立てをすることができます。
米国ETFのVTIは、つみたてNISA口座で保有することができません。
VTIも一般NISAでなら非課税で保有することができますが、一般NISAは2024年から制度が変わって、複雑になるそうです。
カード決済などでポイント還元が受けられる
金融機関によってポイント還元などのルールは違いますが、このファンドはSBI証券でしか販売されていません。
SBI証券で購入することになるので、カード決済で積み立てをすれば、ポイント還元が受けられます。
SBI証券のクレカ積み立てで、最大5%還元
カード決済のポイント還元率は0.5%~5%のようです。
利用するカードのグレードで、還元率が変わるようですね。
「三井住友カード プラチナプリファード」を利用すると、最大で5%の還元なのだそうです。
キャンペーンとかで変わることもあるので、その辺は要確認ですけど。
「投信マイレージサービス」で保有残高に対してポイント還元
また、SBI証券には「投信マイレージサービス」というものがあります。
投資信託の保有残高に対してポイント還元が受けられるものです。
この『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』のポイント還元率は、年0.022%です。
貰ったポイントで投資信託を購入することもできるので、投資効率を更に向上することができます。
SBI・V・全米株式のデメリットは?
良いところもあれば、悪いところもあるものです。
『SBI・V・全米株式』のデメリットとは、何でしょうか。
SBI証券でしか取り扱いが無い
SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは、SBI証券でしか扱っていません。
他の証券会社、銀行など金融機関では、このファンドに投資することができません。
NISA口座はすぐには別の金融機関に移せない
すでにNISA、つみたてNISA口座のある金融機関でSBI・V・全米株式インデックス・ファンドを買おうと思っても、SBI証券以外では買うことができないのです。
このファンドに投資するには、SBI証券に口座を開く必要があります。
NISA、つみたてNISAで保有したければ、NISA口座も移さなければなりません。
でもNISA口座は1年の間に1つの口座しか持てません。
年の途中で別の証券会社にNISA口座を移そうと思っても、翌年まで待たないといけないのです。
クレカ決済は利用できるカードが金融機関で決まっている
SBI証券で投資信託をカード決済できるのは、三井住友カードになります。
カード決済でポイント還元を受けるためには、三井住友カードも作る必要があります。
高い還元率になるのはゴールドカード、プラチナカードなので、年会費が必要だったり、敷居が高いです。
5%の高い還元率の「三井住友カード プラチナプリファード」は、年会費が33,000円です。
年会費以上のポイント還元を受けることもできるのですけど。
楽天・全米株式のほうがリターンが高い?
『SBI・V・全米株式』と『楽天・全米株式』。
どちらも同じ「VTI」と投資先とする投資信託です。
同じETFを投資先にしているので、信託報酬が低いほうがリターンが高くなる。
そう思いがちです。
信託報酬が低いのは『SBI・V・全米株式』のほうです。
SBI証券のWebサイトで、それぞれのファンドのリターンを見てみるとー。
SBI・V・全米株式は6カ月で13.75%値上がり
https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189311216 SBI証券のWebサイトより引用
まずはSBI・V・全米株式インデックス・ファンド。
6カ月で13.75%の値上がりでした。
楽天・全米株式は同じ期間に13.87%値上がり
https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=29I312179 SBI証券のWebサイトより引用
続いて楽天・全米株式インデックス・ファンド。
こちらは6カ月で13.87%の値上がりでした。
2021年12月30日の時点では、6カ月の騰落率は楽天・全米株式のほうが0.12%高かった。
という結果になりました。
ポイント還元率は楽天・全米株式のほうが高い
楽天・全米株式のほうが信託報酬が高いのですが、そのぶん、SBI証券における「投信マイレージサービス」の還元率も高くなっています。
楽天・全米株式の還元率は年0.05%です。信託報酬は0.162%。
SBI・V・全米株式の還元率は年0.022%。信託報酬は0.0938%。
ポイント還元率では楽天・全米株式のほうが0.028%高いです。
倍以上の還元率ですね。
でも信託報酬ではSBI・V・全米株式のほうが0.0682%低いので、リターンでは上回るかと思われたのですが…。
楽天・全米株式 | SBI・V・全米株式 | |
SBI証券での ポイント還元率 | 年0.05% | 年0.022% |
信託報酬 | 年0.162% | 年0.0938% |
差 | ポイント還元率は 楽天・全米株式が 0.028%高い | 信託報酬は SBI・V・全米株式が 0.0682%低い |
同じVTIに投資でも、ファンドによって運用内容が違う
目論見書をよく読むと、同じVTIに投資していても、『SBI・V・全米株式』と『楽天・全米株式』では運用の内容に違いがあります。
『楽天・全米株式』は先物を利用する
『楽天・全米株式』は先物を利用しています。
たぶん、分配金を受け取る際の待ちの期間に、先物を使って「お金が何もしていない時間」を減らしています。
利用する先物はS&P500で、全米株式ではないようですが。
『SBI・V・全米株式』は先物を利用しない
『SBI・V・全米株式』はVTIのみに投資していて、先物は利用していません。
分配金が振り込まれるのを、ただ待っているだけなのだと思います。
そういう細かなところで、指数との乖離が小さくなるか、大きくなるかの違いがでているのではないでしょうか。
下落時はダメージが大きくなるかもしれませんが。
『楽天・全米株式』は有価証券の貸付取引を行う
更に、『楽天・全米株式』の目論見書には『有価証券の貸付取引を行う』とも書かれています。
おそらく、貸株的なことを行って金利を得ているのではないかと思われます。
『SBI・V・全米株式』の目論見書には、そういうことは書いてないです。
信託報酬や経費を差し引く前のリターンでは、楽天・全米株式のほうが期待値では高くなりそうです。
設定初期は経費が多くなりがち、今後に期待を
『楽天・全米株式』の設定日は2017年9月29日です。
長く運用していればファンドの資産も大きくなって、効率の良い運営が行えるようになります。
『SBI・V・全米株式』の設定日は2021年6月29日で、運用を開始してまだ日が浅いです。
まだファンドの資産は大きくありません。
資産が少ないうちは受け取る配当金とかが少ないので、資産が増えてから振り返ると小さな利益に見えてしまいます。
それに、ファンドの運用開始初期はキャンペーンや広告などで、多くの経費がかかります。
米国市場で株式やETFを売買する際には手数料などがかかります。
運用初期は多くのETFを購入することになるので、その際の経費・手数料も多くなります。
しかしファンドの資産規模が大きくなれば、購入時の費用は比率が小さくなっていくでしょう。
上の画像の騰落率でも、「前日比」では『SBI・V・全米株式』のほうが高くなっています。
ファンドが成長して効率よく運用できるようになったら、リターンも逆転する可能性は十分にあります。
まとめ
SBI・V・全米株式インデックス・ファンドについて、僕なりに分析、解説してみました。
〇SBI・V・全米株式のメリット
米ドルを買ったり、米国ETFを買ったりしていると『投資をしている』って感じがして満足感は得られると思います。
でも同じ金額・同じ期間を投資し続けた場合は、投資信託を選んだ方が利回りが高くなる可能性が高いです。
タイミングを見て良い感じに安く買ったりできる自信があるのなら、米国ETFを売買するのも良いのかもしれませんが。
●SBI・V・全米株式のデメリット
中・小型企業への投資というのは、必ずしもメリットになるとは言えません。
経済危機などになると、体力・資金力のある大企業のほうが投資家にとっても安心感もありますし、お金を借りる際の信用力などもあります。
資金力の弱い小型企業が経済危機に総崩れ、ということがあると、大型株中心のS&P500指数を下回るリターンになるかもしれません。
でもテスラ社のように、GAFAに匹敵するほどに急成長する企業があるかも、というのも捨てがたいです。
楽天とSBI、どちらを選ぶかは…長期的に見てみないと、どちらのリターンが高くなるかはわからないですね。
SBI証券以外では、楽天全米株式しか選択肢が無いのですけど。
僕はSBI証券でSBI・V・全米株式、楽天証券で楽天・全米株式と、両方のファンドに投資しています。
でも楽天証券のポイント還元が変わるので、今後はどうするか微妙なところですけど。
僕の投資信託の運用状況は、こちらの投信積立運用状況ページで見ることができますので、興味がありましたら是非ご覧ください。
他の投資信託の解説ページ一覧はこちら→ファンド解説のページ
※あくまでも個人の感想です。特定の商品への投資を推奨するものではありません。
コメント