2022年3月期3Qの決算はすでに殆ど出そろっていて今さら感もあるのですが、まだまだ投資する企業の見極めは続いています。
今回見る決算は、こちら。
<9831>ヤマダホールディングス。
以前は株主優待で大人気だった銘柄ですが、2021年に優待制度を変更。
長期保有で貰えていたボーナスが無くなり、優待目当ての株主が離れてしまいました。
2021年11月にはMSCIのインデックス対象から外れています。
2021年度の優待・配当金権利日後は株価が下がり続けています。
しかし家電量販業界では首位らしく、最近は住宅や家具にも手を出していて、経営を多角化。
改悪されたとはいえ、優待利回りは依然として高く、配当金もそこそこ。
投資先として無視できる銘柄ではないです。
そんなヤマダホールディングスの2022年3月期3Qの決算内容を簡単にまとめると、こんな感じでしょうか。
- 給付金・すごもり特需からの反動か、売上は前年から減少。
- 営業利益、経常利益も前年から減少。
- しかし、配当金にかかわる当期利益は前年よりも増額。
- 予想配当金額は未定。配当性向は30%以上目標としているが…。
株価は下がっていますが当期利益は増えているので、配当金利回りはかなり高くなるのではないか、とも思われますが…。
※あくまでも個人の感想です。各企業の決算内容については、公式なIR発表等でご確認ください。
ヤマダホールディングスのWebサイトはこちら→https://www.yamada-holdings.jp/
<9831>ヤマダホールディングスのここ数年の業績をおさらい
決算年月 | 純利益(百万円) |
2017年3月期 | 34,528 |
2018年3月期 | 29,779 |
2019年3月期 | 14,692 |
2020年3月期 | 24,605 |
2021年3月期 | 51,798 |
2022年3月期(予想値) | 59,000 |
まずは、ヤマダホールディングスのここ数年の業績から見てみましょう。
2019年度に大きく利益が減っていますが、このあたりで住宅事業とかに力を入れだしていて、事業モデルの改革とかをやっているようです。
今後のために、家電以外にも力を入れていこうってところでしょうか。
2021年度には大きく利益を伸ばしました。
給付金特需、すごもり特需ってやつですね。
住建事業でも利益を伸ばしていて、先行投資が実を結び始めています。
2022年度は給付金特需からの反動、と思いきや。
そこから更に増益の予想が出ています。
2021年度は大幅増益なのですが、大型店舗の閉店による特別損失も計上しています。
今年度はその特別損失が無いのと、自社店舗の競合を減らして効率化が図れている、ということなのでしょうか。
株価は2021年の配当金・株主優待の権利日あたりから下り坂。
2022年3月末の権利日が近づいてきて、少しずつですが株価が上昇しています。
売上、営業利益、経常利益は前年から減少、純利益は増加
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
2021年3月期3Q | 1,283,093 | 74,406 | 79,129 | 42,723 |
2022年3月期3Q | 1,192,797 | 58,000 | 64,409 | 47,493 |
差額 | -90,296 | -16,406 | -14,720 | 4,770 |
増加率 | -7.04% | -22.05% | -18.60% | +11.16% |
次は、2022年度3月期3Qと、前年の業績比較です。
売上は前年から減りました。
営業利益と経常利益も減りました。
給付金特需は終わってしまいました。
しかし、純利益は11%の増額です。
上にも書きましたが、前年は大型店舗を閉店したことで特別損失がありました。
そこで、当別損失の金額を比較してみると…
特別損失合計額 | |
2022年3月期3Q | 3,163(百万円) |
2021年3月期3Q | 19,493(百万円) |
差額 | 16,330(百万円) |
経常利益の差額よりも、特別損失の差額のほうが大きいですね。
この全てが閉店によるものではないでしょうけど、これだけの金額なら前年から純利益が増額になるのも頷けます。
期末配当金額は未定、純利益が増額なら配当金も増えるかも?
決算年月 | 期末配当金 | 配当性向 |
2018年3月期 | 13円 | 35.3% |
2019年3月期 | 13円 | 71.5% |
2020年3月期 | 10円 | 35.2% |
2021年3月期 | 18円 | 28.6% |
2022年3月期 | 未定 | 30%以上を目標 |
ヤマダホールディングスは3月末の期末配当金で一括配当です。
中間配当金は出していません。
期末配当金の権利日も近づいていますが…予想配当金額は、未だ発表されていません。
配当金額の発表は権利日を過ぎた後、4月か5月に発表しています。
前年の2021年度は10円から18円へと大きく増額していますが、利益は倍増していることを考えると控えめな金額でした。
目標としている30%以上の配当性向に届いていません。
2022年度は前年から純利益は増益予想ですし、3Q決算では実際に前年よりも純利益は増えています。
2021年度の配当金額、18円を超える可能性は十分にあるのではないでしょうか。
オミクロン株の感染拡大の影響もありますし、年度末に大きな買い物をするかもしれませんから、正式な発表があるまでわかりませんけど。
まとめ・近所にヤマダ電機があるなら優待は未だ魅力的
改悪されたとはいえ、ヤマダホールディングスの株主優待はまだ高い利回りになると思います。
配当金もそこそこ高くなりそうですし、近所にヤマダ電機とかがあって優待が使えるのなら、魅力的な銘柄なのではないでしょうか。
株式交換による買収などにも積極的なようですし、お金が余ったら自社株買いとかも期待できそうです。
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※個人の感想です。特定の銘柄等について、投資を推奨するものではありません。
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