今回は投資信託の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」などの「先進国株式インデックスファンド」についてです。
僕はこの投資信託をメインではないけれど、サブ的な扱いで積み立てています。
- 米国株式をメインに投資しているけど、少しは他の国にも分散投資したい。
- でも新興国株式はちょっとリスクが高そうで…。
- 全世界株式だと、さらに日本株まで入っちゃう…。
こんな感じの方も多いのではないでしょうか。
僕もそんな感じで先進国株式インデックスファンドを選んでいます。
このページでは、
- 先進国株式インデックスファンドとは、どのようなファンドで、何を指数にしているのか?
- 同じ指数に連動するファンドの例は?
- 信託報酬や経費の差は?
などについて、解説したいと思います。
僕の投資信託の運用状況は、こちらの運用状況のページで見ることができますので、興味がありましたら是非ご覧ください。
※あくまでも、やすふじ個人の感想です。「こういう考え方もあるんだな」程度に留めて、目論見書や運用報告書などをよく読んで投資判断をしましょう。
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の目論見書は三菱UFJ国際投信社のウェブサイトなどで確認できます。
三菱UFJ国際投信社のウェブサイトはこちら(新しいタブで開きます)→https://emaxis.jp/fund/252653.html
先進国株式インデックスとは?
「MSCIコクサイ・インデックス」という指数に連動するように、日本以外の先進国の株式に投資するファンドですね。
最近のリターンを見ると米国株式が良さそうだけど、1か国に集中投資するのは怖いから、米国だけじゃなくて投資対象の地域を分散したい。
でも日本国内の株式は別のファンドがあるし、新興国はリスクがありそうで怖い…というときに選ばれるのではないでしょうか。僕がそんな感じです。
「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する
「MSCIコクサイ・インデックス」というのは、MSCI社が定義する先進国23か国から、日本を除いた22か国を投資対象にしています。
その中で、時価総額が大きい企業を選んだ時価総額加重型の指数です。
時価総額が大きい企業の株式の比率が大きくなるので、米国のS&P500指数と重複するものが多くなっています。
日本を含めた「MSCI ワールド・インデックス」もあるよ
日本を含めた先進国23か国の「MSCI ワールド・インデックス」という指数もあります。
が、東証での出来高がゼロの日もざらにあるETF1つくらいしか思い当たる銘柄がなく、日本ではマイナーな指数のようです。
「FTSEディべロップド・オールキャップ・インデックス」も日本を含める指数
日本を含む先進国の株式の指数には「FTSEディべロップド・オールキャップ・インデックス」というものもあります。
この指数はFTSE Russell社が算出しているもので、韓国も先進国に含めた24か国の小型株まで入っています。
この指数に連動する投資信託は「SBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式))」ですね。
MSCIコクサイ・インデックスよりも構成銘柄が圧倒的に多いので、分散効果はあるかと思います。
しかし、日本国内株式TOPIXや新興国株式ファンドと重複する部分があるので、好みが別れるところかなと思います。
2/3くらいが米国株式
「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するファンド全般に言えることなのですが、目論見書を見たらわかるのですけど、2/3くらいが米国株式なんですよ。
それだけ米国の株式市場が巨大だということなのでしょう。
米国株安なら先進国株も大抵下がる
米国株式の比率が多いので、米国の株価が下落したら、この先進国株式ファンドも一緒に下落してしまいます。
ですが、米国が経済危機になれば、リーマンショックのように世界的な経済危機になる可能性が高いです。
なので、僕はもう米国でいいやと僕は割り切りました。
それでも少しは分散投資になるので、このファンドも積み立てるようにしています。
運用5年で2倍くらいの値上がりに
画像は「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の運用開始から2022年1月4日までの、基準価額のチャートになります。
5年と少しの運用で、騰落率は103%です。
5年で約2倍に値上がりしているのです。
この期間は平均利回りが年20%
5年で2倍ということは、この期間の平均利回りは年20%だった、ということになります。
でもたまに大きく下落していますし、新型コロナの暴落では基準価額が1万円を下回り、初期値からはマイナスになるまで値下がりしているので、それなりのリスクはあるのですけど。
コロナ暴落前の3年間は利回り13%程度
2017年2月~2020年の2月、コロナ暴落前までの3年間では、40%の値上がりでした。
その期間の利回りは年13.3%です。
コロナ暴落で利益は消し飛び、その後は年50%の上昇に
コロナ暴落では、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の基準価額は10,000円を下回りました。
それまでの利益は全て消えました。
でもその後の約2年で基準価額は倍増しています。
利回りは約50%だったことになります。
インデックスファンドでも株式投資は安定しない
インデックスファンドを積み立てておけば良い─。
そんな感じのことを言う人もいますが、インデックスファンドであっても株式投資は安定はしません。
時には価格が大きくさがって、大損になることだってあります。
2022年の先進国株式の利回りはマイナスに
2022年は世界的に株安になりました。
騰落率は-5.77%。
先進国株式インデックスファンドの利回りも、マイナスになりました。
先進国株式とS&P500の比較は大差無し
先進国株式と米国株式のどちらに投資をしようか、迷うこともあるかと思います。
先進国株式と米国株式(S&P500)をチャートで比較すると、大差はつかないようです。
青いのがemaxis slim先進国株式で、ピンクっぽいのがemaxis slim米国株式(S&P500)です。
ドル安になった時などは米国株式のほうが影響を受けているかな? と思いますが、構成銘柄に重複部分が多い為、結局は似たようなチャートになるようです。
2021年の年間リターンでは、米国株式(S&P500)のほうが少し高いリターンになりました。
その反動かはわかりませんが、2022年は米国の急激な金利上昇、金融緩和から引き締めへと移っていくことが予想され、米国株はあまり上昇しないのでは、という見方もあるようですけど…。
信託報酬は「年0.1023%」から
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の信託報酬は「年0.1023%」です。
分配金は過去に出ておらず、今後も出ないと思われます。
同じ指数に連動するETFに「1550-MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信」というものがあります。
このETFの信託報酬は「年0.165%」なので、ETFよりも投資信託のほうが信託報酬が低くなっています。
ファミリーファンド方式で、マザーファンドは同じ「外国株式インデックスマザーファンド」が運用しているのですけど。
先進国株式インデックスのファンドは多数ある
同じ指数「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動して投資するファンドは他にもあるので、信託報酬に大差がなければ、どの運用会社を選ぶかは好みの問題だと思います。破綻が怖いから運用会社も分散する、というのも考え方のひとつでしょう。
MSCIコクサイ・インデックス連動ファンドの例
いくつか例を挙げると、
ファンド名 | 信託報酬 |
野村 スリーゼロ先進国株式投信 | 0% (0.11%) |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1023% |
ニッセイ 外国株式インデックスファンド | 0.1023% |
たわらノーロード先進国株式 | 0.1089% |
iFree外国株式インデックス(H無) | 0.209% |
などが、「MSCIコクサイ・インデックス」に連動して、為替ヘッジを行わないファンドになります。
金融機関によって取り扱っているファンドが違うので、『NISA口座を作った金融機関に、買いたい投資信託のアレがない!』ということがあるかもしれませんが、同じ指数に連動するインデックスファンドであれば、リターンも似たようなものになるでしょう。
指数に近づけるための運用手法は各社違うでしょうから、全く同じリターンにはならないのですけど。
また、資金の流出入の額や時期によっても違ってきます。
暴落時に狼狽売りが多いと、売買の手数料や税金が多くなって、ファンド全体がダメージを受けてしまいます。
信託報酬だけでなく、経費率も気にしよう
投資対象の指数が同じファンドの場合、差別化するのに信託報酬に目が行きがちなのですが、信託報酬だけでなく運用にかかった費用も引かれているので、効率よく運用できているのか、というところも気にしたほうが良いかもしれません。
証券会社等でファンドを一覧表示すると、リターンや信託報酬は表示されるのですが、経費率は記載が無い場合が多いかと思います。
経費率が確認するには、運用会社が決算毎に発行する運用報告書を見る必要があります。
経費等は、運用報告書に書いてある
運用報告書を読むと、信託報酬をいくら取っていて、費用はどれだけかかったか、などが書いてあるので、目につきやすい数字だけで判断しないほうが良いかと思います。
信託報酬の低さを売りにしているけど、リターンはさほど良くないファンドもあったりしますから。
信託報酬と経費率を比較すると…
運用報告書は概ね決算毎に発行されるので、ファンドによって決算日が違うため同一期間の経費率を比較することはできません。
頻繁に取引があると手数料が膨らんでしまうので、集計期間内に市場が大きく動くようなイベントがあると、経費も大きくなりがちです。
ファンド名 | 経費合計 | 信託報酬 | 売買委託 手数料 | 有価証券 取引税 | その他 費用 | 報告書 発行日 |
野村 スリーゼロ 先進国株式投信 | 0.033% | 0% | 0.002% | 0.005% | 0.026% | 2021.12.20 |
eMAXIS Slim 先進国株式 インデックス | 0.146% | 0.101% | 0.005% | 0.017% | 0.023% | 2021.04.26 |
ニッセイ 外国株式 インデックス | 0.156% | 0.104% | 0.003% | 0.011% | 0.038% | 2021.01.20 |
たわらノーロード 先進国株式 | 0.152% | 0.109% | 0.004% | 0.010% | 0.029% | 2020.10.12 |
iFree外国株式 インデックス(H無) | 0.245% | 0.208% | 0.005% | 0.005% | 0.028% | 2021.01.29 |
期間が違うので比較するのは難しいですね。
経費合計の大半は信託報酬なので、やはり信託報酬率が低いファンドが、経費総額も小さくなるようです。
過去の運用成績の比較も大事
同じインデックスファンドに投資するにしても、なるべく効率よく運用できているファンドを選びたいものです。
証券会社とかでは取り扱いファンドを検索して比較できるサイトもあります。
1年間のリターン、3年間のリターンなど、同じ期間に高い運用成績だったファンドをなるべく選びたいものです。
まとめ
- 先進国株式インデックスファンドは、欧米などの先進国に幅広く投資できる。
- ただし、3分の2程度は米国企業なので大きな差は出にくい。
- 同じ指数に連動するファンドが多数ある中で、経費率に注目すると「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」に分がありそう。
- ただし、経費が少ないからリターンが高くなるとは限らない。
米国株式の割合が多いので、だったら経費率の低い米国株式ファンドに一転集中、という考え方もできるかと思います。
低コストの米国株式にも「S&P500」や「全米株式」があって、全米株式にも「楽天全米株式」と「SBI全米株式」があって、S&P500にもファンドが沢山あって…と、どれにしようか迷ってしまいますけど。
米国だけが株安になって、他の国は影響なし、ということは考えにくいので、米国以外への分散投資がどれほどの効果があるのか疑問に思うところなのですが。
それでも、自分は分散投資しているんだ、と思いたいので、ぼくはこの先進国株式インデックスファンドも多少投資しているのです。
やすふじの投資信託の運用状況は、こちらの運用状況のページで見ることができますので、興味がありましたら是非ご覧ください。
※あくまでも個人の感想です。特定の商品等の購入や投資活動を推奨するものではありません。
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