2022年3月期1Q決算分析-5020ENEOSホールディングス

 既に決算発表から半月以上経っているのですが、新規で購入した銘柄の決算もしっかり見ておこう、ということで。

5020 ENEOSホールディングス の決算を見ていきたいと思います。

簡単にまとめると、こんな感じでしょうかね。

  • 前年同期比では大幅な増益
  • ただし、前年はコロナ禍で大幅な減益だった
  • 原油・銅などの価格高騰により、在庫の価値上昇による利益が大きい
  • 予想配当金額は年間22円で据え置き

このページでは、決算内容を踏まえて、僕なりの投資判断などについて書いてみようと思います。

2022年2月10日に発表があった2022年3月期3Q決算の分析ページはこちらになります。

※あくまでも個人の感想です。各企業の決算内容については、公式なIR発表等でご確認ください。
ENEOSホールディングスのWebサイト→https://www.hd.eneos.co.jp/

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どんな企業なのか?

どんな企業?

名前を知らない人はいないんじゃないか、と思うくらい有名な企業だと思いますが、テンプレ的なものとして書いておきます。

ENEOSといえば、給油所ですね。
日本国内のシェアは約50%です。
半分がENEOSなんですね。

石油製品はガソリンなどの燃料だけでなく、ペットボトルやポリエステルなど樹脂、合成繊維などの原料でもあります。
そういう素材も作っています。

クリーンエネルギーとして水素燃料が今後に期待されていますが、水素ステーションも展開しています。

発電事業もやっていて、家庭への電力販売や買取もやっています。
現状では火力発電が中心のようですが、再生可能エネルギーもやっています。
2022年度には再生可能エネルギーの発電量を約10倍に増やす計画のようです。

銅を中心にレアメタルなど金属も扱っています。

まあなんというか、色々とやってる企業なんです。

株主優待は無いです。

2022年3月期1Q決算 前年同期比:増益

2022年3月期1Q決算

5020ENEOSホールディングスの2022年3月期1Q決算ですが、前年同期比で大幅な増益でした。
しかし、前年が大幅な減益だったので、「まあ、こんなもんか」といった印象です。

売上高:前年同期比 43.8%増

売上高は昨年の同時期(4~6月)と比較して、43.8%の増加でした。
しかし、前年は38.5%の減少でした。
2年前と比べると11.5%の減少になっています。

いまだコロナ禍の真っ只中なので、よく盛り返したな、という印象ですね。

営業利益:前年同期比 669.9%増

営業利益は昨年の同時期と比較して、669.9%の増加でした。
昨年はコロナ禍による売り上げ減少だけでなく、原油価格も相当落ち込んでいました。
一時期は、原油を買えばお金が貰えるとまで言われていたほどです。
保管コストがかかるから、『お金払うから引き取って欲しい』という状況でした。

昨年は、暴落前に仕入れた原油から作られた製品は、売るほど赤字になる、ということですね。
それが今年は、原油が高騰しました。
安値で仕入れた原油を加工したら、高値で売れた。

そして、原油だけでなく、銅も高騰しました。
銅も高値で売れたようですね。

売上高はそれほど増えていないのに利益が大きく増えたのは、販売量が増えたのではなく、単価が高くなって利益の率が高くなった、ということでしょう。

1株あたり四半期純利益:30.33円

2022年3月期の年間の予想利益は43.60円だったのですが、3か月で30円の純利益になりました。
3か月で、年間予想利益の70%くらいになっていますね。

業績予想、配当金の修正は無し

大幅な増益でしたが、年間の業績予想や配当金額の修正はありませんでした。
今回の増益は原油・銅などの価格高騰による一時的なものになる可能性もありますし、価格が下落すれば大きな損失になる場合もありますから、強気なことは言えないのでしょうか。

決算発表後の株価は?

5020ENEOSホールディングス 22年1Q決算発表前後1カ月の株価チャート
画像はYAHOO!JAPANファイナンスのスクリーンショットです https://finance.yahoo.co.jp/

8月13日に決算が発表されたのですが、決算発表後に株価は下落しました。

大幅増益も、株価は下落

前年同期比では大幅な増益になりましたが、株価は下落しました。
原油も銅も価格が高騰していたので、期待値が高かったのでしょうかね?
8月半ばには原油価格の下落も重なっていて、株価は10%くらい下落しました。

原油価格は反発してまた高騰しつつあるのですが、ENEOSの株価はさほど上昇していません。

脱炭素の流れもマイナス要因か

ENEOSは石油関連の企業というイメージが強く、最近の脱炭素の流れが業績の悪化に繋がるのでは?
という懸念も大きくあるのでしょうか。
再生エネルギー発電や水素燃料などの事業も展開していますが、まだこれからの分野で、収益化できるかも未知数なところもある、ということですかね。

銅の高騰が、代替金属への移行に繋がる?

1Qの増益の理由の1つとして、銅価格の高騰がありました。
しかし、銅の価格が高くなりすぎると、脱炭素だけでなく、脱銅とでも呼ぶのでしょうか、別の金属で代替する企業も出てきたようです。
エアコンメーカーが、銅からアルミに、という話もありました。

あまり単価が高くなると、じゃあ要らないよ、ということになり得るので、価格高騰は喜んでばかりもいられないようです。

僕はアルミ関係の企業にも投資しています。

増配が欲しかった

増益ながら配当金額は据え置き、というのもマイナス要因でしょうか。

利益は高かったのだから、増配があるのでは?
配当性向は50%以上でしょ?

と思いそうですが、無いんじゃないですかね。

総還元性向:3カ年累計在庫影響除き当期利益の50%以上

https://www.hd.eneos.co.jp/ir/stock/dividend.html

在庫影響を除くって書いてあるんですよ。

1Qの利益って、在庫影響なんですよ。

だから、増益でも増配にはならないんじゃないですかね。

年間配当金22円、1株440円以下なら利回りは5%以上

増配が無くても、予想年間配当金額は1株あたり22円です。
1株440円で購入すれば、配当利回りは5%になります。

原油価格に波があって、原油高で増益もあれば、原油安で減益・損失もありえます。
だから、原油高の一時的な利益を配当で放出したら、原油安になった時にお金が無くなってしまいます。

それでも、年5%程度の配当金額が維持されれば、長期で保有していれば、それなりの利益が得られるのではないかと思います。

利回り5%で買える機会なんて、そうそう無さそうですけど。

原油価格の下落時に、どれだけ配当金を出せるか?

原油価格が高騰して利益が出ていても配当金を増やさないのは、一見すると株主を軽視しているように見えます。
ですが、一時的な利益を分配せずにとっておくことで、原油が下落して利益が減った際にも、安定して配当金を出すことができることになります。

原油価格を見て一時的な利益に群がる人たちよりも、下落して減益が予想される状況になっても、手放さずに支える株主に配当金を出して還元してくれる。
と、僕は考えています。

だから僕は、株価の下落で配当金利回りが高くなったからですが、長期保有する予定で買いました。

20年減配が無ければ良いなー。

僕の株式等の保有状況はこちらのページでご覧いただけます。→こちら

※あくまでも個人の感想です。特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。

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