2022年12月4週目、19日~23日の日本株の運用と経済の話とかです。
上場企業を買収する際の手段として、株式公開買付け・TOBというのがあります。
「この銘柄の株式を、この値段で買い取るよ」
という感じで公表して、証券取引場の外で買い付けるのですが、安値では当然集まらないので、市場価格よりも高い買取価格を設定することが一般的です。
<5809>タツタ電線、<9810>日鉄物産、<9422>コネクシオなどがTOBで買収される側になったと発表があり、TOBの買い付け価格が市場価格よりも高値だったので、株価が高騰しました。
市場価格が5000円の銘柄を9000円で買い付けするのなら、7~8000円で買えたらラッキーって感じなのでしょう。
しかし気を付けないといけないのは、TOBは全ての発行済み株式を買い付けするとは限らない、というところでしょうか。
経営権を握りたいのであれば全ての株式を保有する必要はなく、50%を超えていれば良いのです。
買い付け予定を上回る数がTOBに応募された場合、買い取って貰えないこともあります。
TOBが敵対的買収の場合は、対抗策として企業価値をわざと落とすこともあります。
その場合はTOBが撤回されて、企業価値が下がっているから株価も大暴落…。
そんなこともありえます。
市場価格よりも高値でのTOBと見ると飛びつきたくもなりますが、全株買取なのか、50%保有を目指すのか、敵対的買収なのか、などは確認したいものです。
12月4週目の日本株、日経平均とか振り返り
前週の日経平均株価は、米国の景気後退懸念の株安の影響もあって下落していました。
19日 米国株安で日本株も続落
週明けの日本株は続落しました。
前週も米国株安に引っ張られる感じで日本株も急落していましたが、週末に米国株が続落したことで週明けの日本株も続落になりました。
20日 黒田バズーカ炸裂、日本株安へ
どうせ何も手を打たないのだろう。
そう思われている人が急に動くと、大混乱が起こるのでしょうか。
頑なに緩和政策を取り続けてきた日本銀行が、長期金利の上限を引き上げました。
日銀の黒田総裁は「利上げではない」と言っているそうですが、長期国債の金利が上昇すれば、それに連動する金利は上昇します。
為替は1日のうちに5円くらい円高になって、円安恩恵銘柄の株価は下落しました。
借入金が多くて金利上昇の影響を受けやすいと思われる不動産、REIT銘柄も下落しました。
一方、金利上昇の恩恵を受けると思われたのか銀行株は急騰しました。
しかし日経平均株価は急落。
3営業日で1500円くらいの下落で、28000円台から26000円台へと転がり落ちました。
21日 黒田砲の余波で下落が続く
黒田砲の余波は翌日も続きました。
日本国債の利回り急上昇の影響で、各国の国債利回りも上昇しました。
金利が上がれば、株価は下がる。
米国株が下がれば、日本株も下がる。
空売りの買い戻しとかもあったのか、日経平均株価は前日終値よりも高値になる場面もありましたが、終値は5日続落になりました。
22日 日本株の下落を止めるのは、米国株高?
21日の米国市場では、ちょっと好決算とかがあったりで反発上昇していました。
その影響もあって、日本株も少し反発・上昇しました。
日経平均の26000円割れは、一旦は回避されました。
23日 半導体指数が急落、日本株も下がる
米国のマイクロン社の残念決算を受けて、半導体指数が急落しました。
日経平均への影響が大きいハイテク値がさ株が下落して、日経平均は下落しました。
原発関連のニュースがあって、電力会社の株価は騰がっているようです。
冒頭にも書きましたが、TOB関連の銘柄も急上昇しました。
日経平均の週末の終値は26,235.25円。
26000円台をなんとか維持したといった印象ですが、一週間で千円以上の下落になりました。
2022.12.23 株式ETF保有銘柄リスト
コード | 銘柄 | 数量 | 取得単価 | 12/23時価 | 12/23評価額 | 見込み損益 | (%) |
1343 | NEXT FUNDS 東証REIT指数ETF | 20 | 2,108 | 2,015.0 | 40,300 | -1,860 | -4.41% |
1476 | iシェアーズ・コア Jリート ETF | 50 | 1,975.4 | 1,932 | 96,600 | -2,170 | -2.20% |
1488 | ダイワ上場投信 -東証REIT指数 | 40 | 2,006.25 | 1,929.0 | 77,160 | -3,090 | -3.85% |
1496 | iシェアーズ 米ドル建て 投資適格社債ETF H有 | 100 | 1,934.30 | 2,008.0 | 200,800 | 7,370 | 3.81% |
1497 | iシェアーズ 米ドル建て ハイイールド社債ETF H有 | 200 | 1,990.09 | 1,957.0 | 391,400 | -6,618 | -1.66% |
1812 | 鹿島建設 | 200 | 1,370 | 1,507 | 301,400 | 27,400 | 10.00% |
2621 | iシェアーズ 米国債20年超(H有) | 300 | 1,502.50 | 1,508 | 452,400 | 1,650 | 0.37% |
2782 | セリア | 100 | 2,540 | 2,890 | 289,000 | 35,000 | 13.78% |
3468 | スターアジア不動産投資法人 | 3 | 58,700 | 53,400 | 160,200 | -15,900 | -9.03% |
5020 | ENEOSホールディングス | 1000 | 424.29 | 443.6 | 443,600 | 19,310 | 4.55% |
5105 | TOYO TIRE | 300 | 1,596.2 | 1,562 | 468,600 | -10,260 | -2.14% |
5909 | コロナ | 100 | 865 | 870 | 87,000 | 500 | 0.58% |
8893 | 新日本建物 | 1600 | 400.125 | 450 | 720,000 | 79,800 | 12.46% |
合計 | 3,597,328 | 3,728,460 | 131,132 | 3.65% | |||
前週 | 3,488,628 | 3,697,080 | 208,452 | 5.98% | |||
前週との差 | 108,700 | 31,380 | -77,320 | -2.33% |
・購入
コード | 銘柄 | 数量 | 取得単価 |
2621 | iシェアーズ 米国債20年超(H有) | 100 | 1,507 |
・売却
コード | 銘柄 | 数量 | 取得単価 | 売却単価 | 売却額 | 売却損益 | (%) |
8308 | りそなホールディングス | 100 | 420 | 715.2 | 71,520 | 29,520 | 70.29% |
<8308>りそなホールディングスを売却
<8308>りそなホールディングスを売却しました。
日銀の利上げで銀行株が高騰
日銀が利上げに踏み切ったことで、金利上昇による収益増加を見込まれたのか、銀行株が急騰しました。
りそなも1週間で100円くらいの急騰です。
僕は売却しました。
日本国債の価格は急落、含み損が増えていそう
日本国債の利回りが上昇しましたが、国債の価格は急落しています。
債券は償還まで保有していれば損にならない、という意見もあるでしょうけど、評価額は下がります。
銀行は日本国債をたくさん保有しているので、評価損が増えます。
為替が円高で海外資産も急落
銀行は外国債券など、海外資産もたくさん持っています。
為替が円高になれば、円換算した評価額が下がります。
海外資産の評価損が増えます。
金利上昇すれば不良債権が増える
日本は今まで低金利だったにもかかわらず、破綻する企業がたくさんあります。
コロナ対策で政府系の融資がありましたが、それももう終わりです。
今後は企業の倒産数が増えて、銀行は不良債権が増える…と、僕は以前から思っていました。
そこに金利上昇もくると、倒産数はもっと増えそうです。
利上げが続く米国の銀行株は下がっている
欧米ではすでに利上げが進んでいます。
では米国の銀行株は上昇しているか?
というと…下がっています。
銀行によって力を入れている分野も違いますし、一概には言えないのですが、「金利上昇による収益増加」だけを見ていてはいけないのです。
りそなの配当金利回りは3%を割って割安感が無い
りそなホールディングスはここ数年、配当金額を据え置いています。
最近の株価上昇で、配当金利回りは3%を割りました。
増配とかもあって、株価が急騰しても利回りが4%台の<8316>三井住友フィナンシャルグループなどと比べると、割高に感じます。
収益増加による今後の配当金増額に期待したいところですが、僕は一旦売却ということになりました。
<2621>iシェアーズ 米国債20年超ETFを購入
<2621>iシェアーズ 米国債20年超ETFを追加で購入しました。
1600円に近づいていたETFの価格は、米国債の利回りがまた上昇してきたことで1500円に戻ってきました。
週明けには1400円台に下がりそうな勢いです。
米国が利下げに転じれば株も債券も価格が上昇しそうではあるのですが、業績が上がらないと上昇してこないかもしれない株よりも、金利で変動する米国債のほうが今は無難なのかな、といった感じです。
当面は含み損になりそうですけど。
円高効果?<2782>セリアは高騰
画像はgoogle検索結果のスクリーンショットです
下落する日本株が多い中、<2782>セリアは高騰しました。
円安の影響によるコスト増加・減益で株価が低迷していたセリアですが、為替が急に円高に向かったので高騰しているのでしょう。
20日は市場全体の急落に巻き込まれた形で微増に留まっていましたが、21日に急騰しました。
でも中国で新型コロナが大流行しているなど、懸念事項もあるので楽観視はできなさそうです。
J-REITは急落
画像はgoogle検索結果のスクリーンショットです
前週に少し上昇して期待を持たせたJ-REITは急落しました。
REITはお金を借りて不動産を購入しています。
金利が上昇すると、支払う利息が増えて、収益は減ります。
収益性の悪化懸念、それと不動産価格の下落懸念などもあってか、RETI銘柄は急落しました。
金利上昇で不動産を買い辛くなって、賃貸需要は増えるかもしれませんが、不動産の買い手が減るのだから価格は下がる、REITの資産価値も下がるということでしょうか。
保有総額は増加、含み益は減少
売却と購入がありましたが、購入額のほうが大きかったので保有総額は増えました。
株価の下落とりそなの売却で、含み益は前週から77,320円減って、131,132円になりました。
急落からのリバウンドがあれば、と思いたいところですけど、TOYO TIREの権利落ちとかもあるので、保有時価総額はまた減りそうな感じです。
買い増しすれば増えますけど。
12月4週目 合計損益
今週の売却損益 | 29,520 |
先週までの 2022年売却損益 | 322,811 |
2022年売却損益 | 352,331 |
今週入金の配当・分配金 | 0 |
2022年の配当・分配金 | 102,534 |
未収配当・分配金 | 444 |
11月 貸株金利 | 271 |
2022年 貸株金利合計 | 3,025 |
2022年 確定損益合計 | 458,334 |
2022年 確定損益(%) | 12.74% |
2022年 確定損益+見込み損益 | 589,466 |
2022年 確定損益+見込み損益(%) | 16.39% |
* | * |
前年までの 貸株金利合計 | 1,508 |
前年までの 売却損益合計 | 166,752 |
前年までの 配当・分配金合計 | 38,701 |
通算 確定損益合計 | 665,295 |
通算 確定損益+見込み損益 | 796,427 |
通算 確定損益+見込み損益(%) | 22.14% |
2022年の売買損益は35万円の利益に
りそなの売却で利益が3万円ふえました。
2022年の年間の売買損益は35万円の利益になりました。
配当・分配金の10万円と合わせて45万円。
もう年内の配当金の入金予定はないし、50万円には届かないですね。
2022.12.23 損益の推移
見込み損益は多少減りましたが、売却損益は増えています。
全体では微減といったところでしょうか。
そう思いたいです。
12月4週目のまとめ
僕は長期投資と言っていますが、急騰して割高だと感じたら売却します。
まだ上昇余地があったとしても、粘って得られる多少の利益よりも、割安な他の銘柄に投資したほうが得られる利益が大きいと思っています。
急騰した後に急落が来たら嫌ですし。
割安だと思っても、そこから更に下がる銘柄も多いのですけどね。
僕が売却した銘柄は、その後騰がることが多いですし。
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※これはあくまでも、やすふじ個人の投資状況であり、投資を推奨するものではありません。
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