株式投資をするうえで、企業の業績を確認するのは大事なことです。
多くの企業は3か月毎に決算を行って業績等を発表しているので、どれくらいの利益を上げているか、今後の業績予想はどうなっているか、というのを見ておいたほうが良いです。
今回見るのは、こちら。
8308-りそなホールディングス。
りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行などの、りそなグループ。
かつては都市銀行だった大和銀行、あさひ銀行などが合併して色々あってできた金融グループですが、メガバンクには含まれず、地方銀行のでかいやつ扱い。
とはいえ、日経平均株価の225銘柄に選ばれている、大企業です。
そんなりそなホールディングスの2022年3月期 第3四半期決算が、1月31日に発表されました。
今回はその決算内容を見ていきたいと思います。
簡単にまとめると、こんな感じ。
- 前年同期比で増益。
- 業績予想の上方修正は無し。
- 配当金の増額は無し。
前回の2Q決算発表時にあった、100億円ぶんの自己株取得も完了しているようです。
※あくまでも個人の感想です。各企業の決算内容については、公式なIR発表等でご確認ください。
りそなホールディングスのWebサイトはこちら→https://www.resona-gr.co.jp/
過去の業績のおさらい
まず、決算内容を見る前に、りそなホールディングスの過去の業績のおさらいから始めましょうか。
2017年3月期 | 1,614億円 |
2018年3月期 | 2,362億円 |
2019年3月期 | 1,751億円 |
2020年3月期 | 1,524億円 |
2021年3月期 | 1,244億円 |
2022年3月期(目標値) | 1,450億円 |
右肩上がりとはいかず、2018年をピークに減益が続いています。
2021年の利益は、2018年の半分近くまで落ちています。
2022年の目標値は昨年よりも16.5%の増益を予想というか目標。
銀行はお金を貸して、利息で利益を得るのですが、日本は低金利が続いているので厳しいですね。
成長企業に投資する、という考えだと、投資対象からは外れてしまうでしょうか。
経常利益、純利益は前年同期比で増益
経常利益(億円) | 純利益(億円) | |
2022年3月期3Q | 180,723 | 126,549 |
2021年3月期3Q | 146,872 | 97,160 |
差額 | +33,851 | +29,389 |
増減率 | +23% | +30% |
経常利益と純利益は、前年同期比で大幅な増益になりました。
まだ3Qですが、前年度の年間の純利益を上回っています。
でも前年、2021年は2020年から減益でした。
2022年の目標値も、2020年の実績を下回っています。
しかし、目標値を上回る利益を上げているので、このペースなら最終的には2020年の実績を上回る利益になるかもしれません。
2022年経常利益 | 2021年経常利益 | 2022年純利益 | 2021年純利益 | |
1Q | 49,201 | 31,769 | 34,230 | 21,821 |
2Q | 68,397 | 52,719 | 46,607 | 34,574 |
3Q | 63,125 | 62,384 | 45,712 | 40,765 |
4Q | – | 44,088 | – | 27,321 |
3か月毎の利益を比較すると、経常利益と純利益、どちらも前年の同期比で上回っています。
2021年3月期は、3Qまでは利益が増えていったものの、4Qではがくっと落ちています。
年末年始での新型コロナの感染再拡大が影響しているのでしょうか。
2022年3月期も、年始からオミクロンが猛威を振るっています。
前年度と同様に、4Qの利益は落ち込むかもしれません。
となると…2020年3月期超えは厳しい、場合によっては目標値の1450億円達成も、あるいは…?
株式や投信販売による増益が大きい
銀行は預金として預かったお金を貸し出して、金利差による利益を得ることが主な業務です。
しかし日本は低金利。
世界的には金利の上昇が見込まれますが、まだまだ低金利です。
では、どこで利益を上げているのでしょうか。
2022年3月期第3四半期 決算の概況
業務粗利益は、資金利益、役務取引等利益が増加し、前年同期(2020年12月期)比42億円増加の4,761億円となりました。
経費は前年同期比ほぼ横ばいの3,094億円となりました。引き続きローコスト運営を継続しています。
株式等関係損益(先物込)は前年同期比188億円増加の442億円、与信費用は前年同期比108億円費用減少の205億円となりました。
りそなホールディングス Webサイト 決算ハイライトから引用
https://www.resona-gr.co.jp/holdings/investors/ir/highlight/index.html
決算ハイライトを見てみると、資金利益、金利差による利益が増えています。
しかし国内では減少。
国外で利益を上げているのでしょうか?
役務取引等利益は、投資信託の販売手数料とかですね。
株高で投資信託の販売も好調だったのでしょうか。
年明け後は株価が下落していますが、日本以外は債券の金利も上がりそうですし、株から債券へと資金移動とかでまた儲かるんでしょうか。
年末は株高だったので、10-12月の決算では株式による利益も好調だったようです。
しかし、株も債券も評価額が下がっているでしょうから、4Qではここが足を引っ張る可能性もありますか。
年間配当金は21円(予想)
今回の決算発表では、予想配当金額に変更はありませんでした。
従来予想の1株あたり年間21円、3月の期末配当金は10.5円です。
2022年2月4日の終値は520.4円。
予想配当金利回りは4%になります。
中間配当金 | 期末配当金 | 年間配当金 | |
2016年3月期 | 8.5円 | 8.5円 | 17円 |
2017年3月期 | 9.5円 | 9.5円 | 19円 |
2018年3月期 | 10円 | 10円 | 20円 |
2019年3月期 | 10.5円 | 10.5円 | 21円 |
2020年3月期 | 10.5円 | 10.5円 | 21円 |
2021年3月期 | 10.5円 | 10.5円 | 21円 |
2022年3月期 | 10.5円 | 10.5円(予想) | 21円(予想) |
利益は減っているのですが、配当金額は少しずつですが増えています。
しばらく増えていませんけど。
公的資金も完済して、余裕ができてきたのでしょうか。
ここ数年では最小利益だった2021年3月期でも、配当性向は40%に届かない程度です。
無理をして配当金を出しているわけではなさそうです。
逆に大幅な増益になっている2018年3月期でも、配当金は1円の増額。
多少の増益や減益があっても、安定した配当金が計算できると言えそうです。
まとめ
- 前年同期比で増益でも、前年が減益なのであまり参考にならない。
- 増益で配当金の増額期待が大きいと、据え置きでがっかり下落があるかも?
- 新型コロナの感染再拡大と株安、債券安で4Qの利益は…?
- 配当金は高利回りで安定。
年明け後、世界的に株価が下落していますが、りそなホールディングスの株価は上昇しています。
それでも配当金利回りはまだ4%と高いので、株価を気にせずに長期保有するなら、安定した配当金収入になりそうです。
でももっと利回りの高い銘柄もあるので、株価が上昇して利回りが下がっているところで買うのは、長期保有目的ではどうかな? と思います。
僕としては、
株価が下がって利回りがもっと高くなったら、追加で買おうかな?
といったところですね。
海外で積極的な事業を行うメガバンクならともかく、日本国内の金利が上がってこないと、銀行の収益は大きくは増えないんじゃないでしょうか。
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※個人の感想です。特定の銘柄等について、投資を推奨するものではありません。
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