不労所得が欲しい。
ETF、REITなどに投資して分配金収入を得たい。
単価が低くて利回りがそこそこ高い、東証REIT指数のETFを買ってみたい。
でも東証REIT指数に連動するETFはたくさんあります。
沢山あると、どれを選んだら良いのか迷ってしまいますよね。
長く分配金を貰い続けたいと思ったら、なるべく安定した運用が行われるETFを購入したいものです。
そこで、今回ご紹介するETFはこちら。
<1343>NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信。
多数ある東証REIT指数ETFの中でも、最長の上場来の運用期間。
そして、国内のJリートETFの中で最大の資産規模。
必ずしも運用期間の長さや資産規模で運用の安定度が決まるわけではありませんが、資産が大きいほど資金の流出入への耐性は高くなりそうです。
このページには、こんな感じのことが書いてあります。
- NF・J-REIT ETFって、どんなETFなの?
- 分配金の金額、利回りはどれくらい? いつ貰えるの?
- そもそも、JリートETFってどんな感じなの?
そんなわけで、<1343>NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信、略称:NF・J-REIT ETFについて、解説していきたいと思います。
どんなETFなのか?
証券コード | 1343 |
銘柄名 | NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 |
略称 | NF・J-REIT ETF |
Webサイト | https://nextfunds.jp/lineup/1343/ |
運用会社 | 野村アセットマネジメント株式会社 |
対象インデックス | 東証REIT指数 |
信託報酬 | 0.1705% |
売買単位 | 10口 |
資産規模 | JリートETF国内最大級 |
直近1年間の 分配金合計(1口) | ¥73.4 |
2023.5.2終値 | ¥2017.5 |
分配金利回り (2023.5.2時点) | 3.64% |
決算日 | 2月、5月、8月、11月の各10日 |
分配金入金日 | 決算日の翌月中旬 |
<1343>NF・J-REIT ETFを簡単にまとめると、こんな感じです。
名称は、NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信。
略称は、NF・J-REIT ETF。
このページでは「1343 ETF」と略しているところもあります。
野村アセットマネジメント株式会社が運用しています。
東証REIT指数に連動する
1343 ETFは東証REIT指数に連動するように運用しているインデックス型のETFです。
東証REIT指数は、東証に上場しているすべてのJリート銘柄の浮動投資口ベースの時価総額加重平均型の指数です。
東証REIT指数=(当日の時価総額÷基準日(2003年3月31日)の時価総額)×1,000
という計算式で算出しています。
この指数に連動するように、集めた資金でJリート銘柄を売買しています。
時価総額の大きい銘柄ほど保有比率が大きくなっています。
ちなみに、2022.8.16時点で一番時価総額が大きいJリート銘柄は「日本ビルファンド投資法人」です。
インデックス型なので、他のETFと大差は無い
上にも書きましたが、<1343>NF・J-REIT ETFはインデックス型の運用です。
同じ東証REIT指数に連動するETFと基準価額の変動に大差はありません。
活発な取引が行われていないETFは最終取引価格の更新が遅くなるため、東証での時価や終値では差が開いているように見えることはあります。
東証REIT指数ETFなら少額で投資できる
東証に上場しているJリート銘柄は単価が高いものが多いです。
高いものでは1口で数十万円、低いものでも数万円。
それに対して、東証REIT指数ETFは1口2千円前後で購入することができます。
しかし、1343ETFは同じ東証REIT指数に連動するETFの中では、1口の単価が若干高めになっています。
価格は若干高いが、利回りに大差は無い
1343 ETFは多数ある東証REIT指数ETFの中で、1口単価が少し高めです。
しかし、そのぶん分配金額も高めです。
利回りでは大差はありません。
コード | 2022.8.16終値 | 1年の分配金 | 利回り |
1343 | ¥2,174.0 | ¥71.8 | 3.30% |
1345 | ¥2,058.5 | ¥65.5 | 3.18% |
1476 | ¥2,085.0 | ¥69 | 3.31% |
1488 | ¥2,101.5 | ¥67.9 | 3.23% |
終値の多少のブレや、決算月が違うため分配金の対象期間などのズレがあるため、多少の誤差程度の違いはあります。
しかし1343ETFの利回りが特に低いということはありません。
決算日直後は少し安い
決算日を過ぎた直後は、分配金を出したばかりなので価格が少し下がっています。
上の表だと1343と1476は分配金を出した後すぐなので、価格が少し下がっている分、利回りが高く見えています。
分配金を出してすぐは安く買えるのですが、次の分配金までは遠くなります。
信託報酬は低めの「年0.1705%」
コード | 銘柄名称 | 信託報酬 (年率) | 決算月 | 売買単位 |
1343 | NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 | 0.1705% | 2,5,8,11月 | 10 |
1345 | 上場インデックスファンドJリート隔月分配 | 0.33% | 1,3,5,7,9,11月 | 100 |
1398 | SMDAM 東証REIT指数上場投信 | 0.242% | 3,6,9,12月 | 10 |
1476 | iシェアーズ・コア Jリート ETF | 0.165% | 2,5,8,11月 | 1 |
1488 | ダイワ上場投信-東証REIT指数 | 0.1705% | 3,6,9,12月 | 10 |
1595 | NZAM 上場投信 東証REIT指数 | 0.2728% | 1,4,7,10月 | 10 |
1597 | MAXIS Jリート上場投信 | 0.1595% | 3,6,9,12月 | 10 |
2552 | 上場Jリート(東証REIT指数)隔月分配(ミニ) | 0.2695% | 2,4,6,8,10,12月 | 1 |
2555 | 東証REIT ETF | 0.2695% | 1,4,7,10月 | 10 |
2556 | One ETF 東証REIT指数 | 0.1705% | 1,4,7,10月 | 10 |
1343ETFの信託報酬は東証REIT指数に連動するETFの中で最安値ではありませんが、3番目に低い年0.1705%です。
以前は最低タイだったのですが、いつのまにか他のETFの信託報酬が下がっていました。
0.01%の差では誤差
1回の分配金額は1口あたり20円程度なので、0.01%の差では誤差にもならないと思います。
分配金が100円あっても0.01円です。
数年くらい保有を続ければ、1円くらい違ってくるでしょうか。
東証での売買単位は10口
1343ETFは東証での売買単位は10口です。
1口では売買ができません。
ETFの単価が2000円でも、東証で購入する場合は2万円が必要になります。
もっと少額で投資するなら1476ETFも候補に
JリートETFの1口単価は差が小さいのですが、多くの銘柄は売買単位が10口です。
東証で売買する際の最小単位が10口なので、単価の10倍の資金が必要になります。
少額での投資という点では、売買単位が1口の1476-iシェアーズ・コア Jリート ETF などが候補になるかもしれません。
運用資産総額はJリートETFで国内最大規模
1343-NF・J-REIT ETFの純資産総額は、4,816.3億円(2022.8.17時点)。
JリートETFはたくさんあるのですが、その中で最大の資産規模です。
インデックス型の運用なので、資産が多いから利益を出しやすいとかは無いのですが。
出来高が多く、活発な取引がある
資産規模が大きいので、ETFの受益権口数も多いです。
発行済み口数が多いので、東証での出来高も多いです。
出来高の少ないETFだとストップ高で掴まされるなど、極端な高値で放置されているものがあります。
しかし1343ETFは出来高が多く活発な取引がなされています。
大量の注文が入れば違ってきますが、売りも買いも数が多いので、概ね適正な価格で取引が行えます。
1343ETFは基準価額に近い値で売買できる
この日終値は2177.5円、基準価額2177.36円付近に大量の売り注文がある
この画像は2022年8月26日の取引終了後の売買注文の「板」と呼ばれるものです。
この日の終値は2,177.5円。ETFの基準価額は2,177.36円でした。
基準価額とほぼ同額の2,177.5円に大量の売り注文があります。
成行で買い注文を入れたとしても、妥当な金額で約定できる状況でした。
売買の注文の数も多くて、もし3万口のまとめ買いをした場合でも、差額が5円程度の範囲におさまります。
出来高の少ないETFは高値買いしやすい
この日の終値は2080円、基準価額2079.8円だったが、売りと買いの注文は基準価額から離れている
こちらの画像は、出来高が少ないJ-REIT ETFの板です。
この日の終値は2080円、基準価額2079.8円だったのですが、売りも買いも板に残っている指値は基準価額からは少し離れています。
この状況で成行で注文を入れたら、基準価額から少し離れた価格で約定して、高値買い、安値売りになってしまいます。
注文の総量も少なくて、1万口のまとめ買いをした場合は基準価額よりも1割以上高値を掴まされることになります。
<1343>J-REIT ETFの分配金は?
JリートETFは集めたお金で不動産投資信託証券に投資を行い、そこから得られた分配金(配当金のようなもの)収益から信託報酬と経費等を引いた残りの利益を、ETFの保有者に分配します。
決算月は2、5、8、11月、その翌月に入金
1343ETFの決算月は2月、5月、8月、11月です。各月の10日に決算を行います。
決算の翌月中旬頃に分配金が支払われます。
Jリート銘柄は年2回、半年ごとに分配金を出すものが多いので、JリートETFの分配金額は多い月と少ない月があります。
分配金の金額は?
決算日 | 1口あたり分配金額 |
2023年02月 | 17.9円 |
2022年11月 | 18.8円 |
2022年08月 | 17.2円 |
2022年05月 | 19.5円 |
2022年02月 | 16.3円 |
2021年11月 | 18.8円 |
2021年08月 | 16.1円 |
2021年05月 | 19.0円 |
2021年02月 | 16.6円 |
2020年11月 | 18.8円 |
野村アセットマネジメント社のWebサイトを参照
https://nextfunds.jp/lineup/1343/
1口あたりの分配金額だと小数点以下の端数が出ますが、売買単位が10口なので10口単位で保有していれば端数は出ないでしょう。
単元未満株などで1口単位の保有の場合に端数がどうなるのかは、僕は知りません。
1円未満の扱いは金融機関によって切り上げ・切り捨てなど違うと思います。
年毎の分配金額
年 | 2月 | 5月 | 8月 | 11月 | 年間合計額 |
2023年 | 17.9円 | – | – | – | – |
2022年 | 16.3円 | 19.5円 | 17.2円 | 18.8円 | 71.8円 |
2021年 | 16.6円 | 19.0円 | 16.1円 | 18.8円 | 70.5円 |
2020年 | 19.2円 | 18.1円 | 17.1円 | 18.8円 | 73.2円 |
2019年 | 18.8円 | 17.4円 | 16.1円 | 16.5円 | 68.8円 |
2018年 | 17.3円 | 15.9円 | 15.7円 | 16.4円 | 65.3円 |
野村アセットマネジメント社のWebサイトを参照
https://nextfunds.jp/lineup/1343/
1343ETFの年間の分配金合計額は、2020年までは増加傾向でした。
しかし2020年には新型コロナによって世界中が大打撃を受けました。
オフィスや商業施設などでもテナントの撤退、賃料の引き下げが相次ぎ、REITの収益減少も見られました。
分配金額だけを見ると年間70円前後でそこまで大きな変動ではないのですが、ETFの価格は一定ではありません。
購入額によって利回りが変わります。
年毎の11月権利日の利回り
年 | 年間合計額 | 11月10日 終値 | 利回り |
2022年 | 71.8円 | 2086.5円 | 3.44% |
2021年 | 70.5円 | 2200.0円 | 3.20% |
2020年 | 73.2円 | 1829.0円 | 4.00% |
2019年 | 68.8円 | 2309.0円 | 2.98% |
2018年 | 65.3円 | 1894.0円 | 3.45% |
2018年は11月12日、2019年は11月11日の終値
野村アセットマネジメント社のWebサイトを参照
https://nextfunds.jp/lineup/1343/
分配金額の多かった2020年が、ここ数年では一番利回りが高くなりました。
しかしETFの価格は大きく下がっていました。
利回りが高い年は価格が低下している
11月10日の終値でも前年から大きく下落していますが、2020年3月19日の終値は、1,238円です。
前年のピーク時の価格から、半年程度で半値に落ちたのです。
リートETFの分配金は大きく変動していなくても、リートの価格は大きく変わるのです。
東証REIT指数が安定しない
1343ETFはJリートでも最大の資産規模です。
資産規模が大きければ、安定したETFの運用が期待できます。
しかし、東証リート指数連動のETFはインデックス型。
連動対象である東証リート指数が安定しなければETFの価格は安定しません。
経済危機では東証REIT指数も急落する
東証リート指数は度々大暴落している
画像はgoogle検索結果のスクリーンショットです
東証リート指数の初期値は、2003年3月31日の対象銘柄の時価総額を基準として1000ポイントです。
リーマンショックで東証REIT指数が急落
運用開始後、東証リート指数は数値を伸ばしていき、2006年後半に急上昇して2500を超えました。
しかし、2007年。
米国でサブプライムローンの問題が出てくると、急速に数値を落としていきます。
そして2008年。
すでに数値を落としていたところに、リーマンショックで更に大暴落。
東証リート指数は高値のピークから2年とかからずに、3分の1以下になりました。
コロナ暴落でも東証REIT指数は急落
リーマンショックで急落した後、東証REIT指数は10年以上の歳月をかけて、2000ポイント台に戻りました。
しかし2020年。
コロナ暴落で、東証REIT指数は垂直落下しました。
各国の金融緩和政策などもあって急速に値を戻して2000ポイント台に戻りました。
でも2022年には急速に進んだインフレから脱却するため、日本以外は金融引き締めに入ると、東証REIT指数はまた下落しています。
上場後すぐリーマンショックが直撃
1343ETFはリーマンショックの最中に上場した
画像はgoogle検索結果のスクリーンショットです
1343ETFの上場日は、2008年9月18日です。
リーマンショック直撃です。
それでも破綻することなく運用を続けて、運用期間最長、最大規模のETFになりました。
1343ETFは東証リート指数に連動するインデックス型です。
インデックス型の安定した運用=指数との連動です。
東証リート指数が急落すれば、1343ETFも当然のように急落します。
それがインデックス型の運用です。
他のETFも同じ動きになります。
不動産が下落すればリートも下落する
REITというのは、不動産投資信託とも呼ばれます。
不動産の収益を貰う権利みたいなものです。
不動産の価格が下落すれば、REITも下落して、リートETFも下落します。
リーマンショック時は事前に急上昇して盛られていたとはいえ、急落時には目を疑うような下がり方をする場合があります。
コロナ暴落でも半値くらいになっています。
そして値を戻すのも、株式などよりは遅かったです。
賃貸の需要が減ればREITの収益も減る
REITの主な収益は物件を貸した際の賃料です。
物件の需要が減れば、収益も減ります。
2020年のコロナ禍以降、リモートワークの普及などもあり、オフィスの需要が減りました。
REITの主力は最大規模のJリート銘柄もそうなのですが、首都圏のオフィスです。
そのオフィスの需要が減れば、REITの収益も減ります。
REITの収益が減れば、JリートETFの分配金も減ります。
REITにはオフィス以外にも、商業施設、住宅、ホテルなどがありますが、コロナ禍の行動制限によってホテルの需要も店舗の需要も減りました。
通販需要で物流施設の需要は増えたようですけど。
REITは安定した資産とは言い難い
分配金が減ったらリートの価格が下がって利回りが調整されたりするのですが、とにかくリートは安定した資産ではない、ということです。
金融機関などの大口保有者が資金繰りのためにまとめ売りをすることがあるので、現物不動産以上の値下がりをすることもあります。
暴落時に仕込んで回復すれば良いのですけどね。
破綻しなければの話になってしまいますが。
株などと比較してどうか、というのも難しいです。
株も銘柄によるので。
<1343>NF・J-REIT ETFのまとめ
- 信託報酬は最安ではなくなったけど、他のETFと利回りに大差は無い。
- 出来高が多いので、適正価格で売買しやすい。
- 1口の単価は他の東証REIT指数ETFよりも若干高いけど、利回りに大差は無い。
- 暴落時の価格下落っぷりは怖い。
J-リートETFは分配金利回りが高めのETFです。
でも1口の単価は安いです。
高額の分配金なら僅かな信託報酬の差でも、分配金額に差が出るかもしれません。
でも10円、20円の分配金では、1円の差が出るのに何年かかるかわかりません。
だったら、1円でも安く買うか、高く売るかしたほうが良いと思います。
出来高が多いほうが適正価格で売買がしやすいので、1343ETFは無難な選択になると思います。
少しでも高い利回りが欲しいのであれば、個別のJリート銘柄を検討してみるのも良いかもしれません。
東証リート指数ETFよりも高い利回りの個別リート銘柄はたくさんあります。
個別リートは個々の業績によって価格の急落や、分配金の減額もあるので、東証リート指数ETFのほうが無難な運用になるかと思いますけど。
個別リートには1口数十万円と高額な銘柄もありますが、数万円程度の割と安価で投資できる銘柄もあります。
僕は分配金が入金する回数が増えるように、この1343ETFを含めて複数のJリートETFを組み合わせています。
でもリートだけでなく、債券ETFとかも保有しています。
僕のETFや株の運用状況は、こちらの株式ETF運用状況ページでご覧いただけますので、投資した結果どうなっているか気になる方は、そちらもよろしくどうぞ。
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※あくまでも、やすふじ個人の感想です。「こういう考え方もあるんだな」程度に留めて、目論見書や運用報告書などをよく読んで投資判断をしましょう。
※このページに書かれている価格や利回り等は過去のデータあり、最新のものとは異なる場合があります。
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