2023年3月2週目、6日~10日の日本株の運用と、経済の話とかです。
米国では銀行の破綻があったようです。
『金利が上がれば銀行が儲かる』
などと誰が言ったのか知りませんが、
『儲かるどころか損失が増えていた』
という現実が見えてきました。
『金利が高いと銀行が儲かる』というのは間違いではないのですが、金利は契約時に決まります。
定期預金の金利が満期になるまで変わらないように、契約が済んでから金利が上がっても、契約を更新しないと銀行の利益は増えません。
日本でも住宅ローンの固定金利は上がりましたけど、銀行の利益が増えるのは新しい契約だけです。
長期金利が上昇した場合に増えるのは、銀行の利益ではなく、銀行が大量に保有している国債の評価損です。
短期金利なら契約期間が短いので、すぐに新しい金利に変わります。
短期金利が上昇すれば、銀行の利益は増えます。
でも日本では短期金利は上昇していません。
対して、米国では短期金利が勢いよく上昇しています。
だから米国の銀行は貸付の利益が増えているのですが…金利が上がりすぎて、貸した相手が返せないリスクが高まっています。
おまけに長期金利も上昇しているので、国債の評価損も増えています。
銀行は顧客の預金で国債を買って、その金利差で利益を出しています。
『国債の評価損は満期まで保有すれば問題ない』
という意見も見たことがあるかもしれません。
しかし長引くインフレで、顧客は預金残高がどんどん減っていきました。
預金が減っていくので、銀行は評価損の国債を売るしかなくなりました。
そして、お金が無くなって破綻しました。
日本では金利は僅かにしか上昇していませんし、預金大好きな国民性なのでシリコンバレー銀行のような破綻はしないと思います。
国債が評価損になっていても、売却する必要がなければ満期まで保有しておけば損失にはなりません。
でも金利の高い米国債で運用している銀行はありますし、海外展開しているメガバンクには為替の円高はダメージになるかもしれないです。
『日本の銀行は今回のような破綻リスクは低い』のかもしれないですけど、利益が増えると見込んで上昇していた株価がどうなるかは、また別のお話なのです。
僕は保有していた銀行株は昨年末に早々に売却しましたが、意外と利益も増えてるかもしれないですし。
3月2週目の日本株、日経平均とか振り返り
前週の日経平均株価は、週末に大きく上昇して28000円に接近していました。
3月6日 日経平均は続騰で28000円台に
週明け6日の日経平均株価は、続騰になりました。
前週末の米国市場では上昇していた長期国債の利回りが低下して株高、特にハイテク株の上昇が目立っていました。
その影響で日本でもハイテク値嵩株の上昇が目立ちました。
<8035>東京エレクトロンなどが上昇しています。
日経平均株価は始値から28000円台に乗せると、更に上昇して終値は28,237.78円でした。
7日~9日 日経平均は更に続騰、28500円に乗せる
7日以降も日経平均は高騰が続きました。
個別には<5727>東邦チタニウムがスポンジチタンの値上げ交渉が決着したとの報道があり、急騰していました。
前週には<5726>大阪チタニウムでも同様に値上げ交渉の報道があって、揃って急騰になっています。
鉄鋼株は引き続き強さを見せ、このところ失速気味だった銀行株もまた上昇しました。
日経平均は5日連騰になって、9日の終値は28,623.15円でした。
10日 メジャーSQで転換点? 米国で不穏な動きが…
3月10日は第2金曜日、僕のブログでもたびたび出てくる、メジャーSQです。
先物とオプション取引の精算が重なる、株価の転換点になりやすいとされる日です。
日経平均は大きく下落しました。
9日の米国市場で、シリコンバレー銀行の株価が60%の大暴落をしました。
この時点では『破綻しそうだ』ということでしたが、その後10日に破綻が確定しています。
そのSVBに限らず、米国市場では銀行業を中心に株価が急落しました。
その流れは米国だけでは収まらず、日本市場でも銀行業を中心に株価が急落しました。
<8306>三菱UFJフィナンシャル・グループは前日には1000円に迫ろうかと高騰していたのですが、6%くらいの急落でした。
銀行株の急落などどこ吹く風、といわんばかりの穏やかさを見せていた海運株でしたが、10日の昼に<9101>日本郵船が発表した中期経営計画に失望されたのか、午後から大暴落。
日本郵船も6%を超える急落でした。
10日の日経平均の終値は、28,143.97円。
週末の終値としては前週末よりも上昇して終えていますが、前日比では479円の大幅下落になりました。
2023.3.10 株式ETF保有銘柄リスト
コード | 銘柄 | 数量 | 取得単価 | 3/10時価 | 3/10評価額 | 見込み損益 | (%) |
1343 | NEXT FUNDS 東証REIT指数ETF | 50 | 2,035 | 1,962.5 | 98,125 | -3,625 | -3.56% |
1476 | iシェアーズ・コア Jリート ETF | 50 | 1,975.4 | 1,879 | 93,950 | -4,820 | -4.88% |
1496 | iシェアーズ 米ドル建 IG社債ETF H有 | 100 | 1,934.30 | 1,958.0 | 195,800 | 2,370 | 1.23% |
1497 | iシェアーズ 米ドル建 HY社債ETF H有 | 200 | 1,990.09 | 1,911.0 | 382,200 | -15,818 | -3.97% |
1597 | MAXIS Jリート ETF | 20 | 1,877 | 1,864.0 | 37,280 | -260 | -0.69% |
1812 | 鹿島建設 | 200 | 1,370 | 1,659 | 331,800 | 57,800 | 21.09% |
2621 | iシェアーズ 米国債20年超(H有) | 500 | 1,505.7 | 1,491 | 745,500 | -7,350 | -0.98% |
2866 | グローバルX 米国優先証券ETF | 10 | 946 | 944 | 9,440 | -20 | -0.21% |
3468 | スターアジア 不動産投資法人 | 3 | 58,700 | 54,900 | 164,700 | -11,400 | -6.47% |
5020 | ENEOS ホールディングス | 1000 | 424.29 | 475.9 | 475,900 | 51,610 | 12.16% |
5105 | TOYO TIRE | 300 | 1,596.2 | 1,604 | 481,200 | 2,340 | 0.49% |
5909 | コロナ | 100 | 865 | 927 | 92,700 | 6,200 | 7.17% |
8893 | 新日本建物 | 1600 | 400.125 | 499 | 798,400 | 158,200 | 24.71% |
合計 | 3,671,768 | 3,906,995 | 235,227 | 6.41% | |||
前週 | 3,671,768 | 3,874,795 | 203,027 | 5.53% | |||
前週との差 | 0 | 32,200 | 32,200 | 0.88% |
3月2週目は売買がありませんでした。
米国債は利回りが急低下して2621など債券ETFは上昇
前週まで下落が続いていた2621ETFは、そこそこ上昇しています。
前週末からは51円、3.5%の上昇ですね。
米国では前週末に偉い人の発言が好感されて、国債利回りが下がっていました。
それで週明けの2621ETFは価格が上昇しています。
その後はやや停滞していましたが、米国の金融危機の表面化で、米国債の利回りは急低下しています。
2621ETFは急上昇しました。
10日は日本株安でしたが、ここの高騰で僕の保有総額は致命傷は避けられました。
10日までは。
米国金融危機でPFFDが急落、2866ETFも下落
画像はgoogle検索結果のスクリーンショットです
米国の銀行破綻の影響で、2866ETFは急落しています。
2866ETFは名称にあるように、米国の優先証券に投資しています。
直接的な投資先は、米国ETFのPFFDです。
PFFDのファクトシートを見たらわかるのですが、PFFDのセクター別内訳は約70%が金融業です。
金融危機になると、株を売って債券を買う動きが増えます。
2621ETFのように、米国債のETFは価格が上昇しています。
でも今回は金融業のリスクなわけです。
金融業の証券が中心のPFFD、2866ETFは下落です。
おまけに為替が円高になっているので、さらにドスンです。
大事に至らずに盛り返せば、良い買い場ではあるのですけど…。
楽天証券では3月31日まで2866、PFFDを含めてグローバルX社のETFでポイントとか貰えるキャンペーンをやっているそうです。
含み益の合計は増加
日本株は週末に下落しましたが、それまでの連騰もあったので合計では増加になりました。
米国債ETFの価格上昇の影響が大きく、僕の保有時価総額は、前週から32,200円増えました。
含み益の合計は235,227円になりました。
3月2週目 合計損益
今週の売却損益 | 0 |
2023年売却損益 | 40,560 |
2023年の配当・分配金 | 8,544 |
未収配当・分配金 | 17,243 |
2月 貸株金利 | 310 |
2023年 貸株金利合計 | 962 |
2023年 確定損益合計 | 67,309 |
2023年 確定損益(%) | 1.83% |
2023年 確定損益+見込み損益 | 302,536 |
2023年 確定損益+見込み損益(%) | 8.24% |
* | * |
前年までの 貸株金利合計 | 4,533 |
前年までの 売却損益合計 | 437,069 |
前年までの 配当・分配金合計 | 119,115 |
通算 確定損益合計 | 628,026 |
通算 確定損益+見込み損益 | 863,253 |
通算 確定損益+見込み損益(%) | 23.51% |
今週は保有ETFの決算があって、分配金額の決定がありました。
2023年3月決算のETF分配金
コード | 銘柄 | 保有数量 | 1口分配金 | 分配金計 |
1597 | MAXIS Jリート ETF | 20 | 24.9 | 498 |
2866 | グローバルX 米国優先証券ETF | 10 | 4.0 | 40 |
合計 | 538 |
2023年3月決算のETF分配金は、2銘柄合計で538円でした。
もう少し後に3468-スターアジアの決算も出てくると思います。
2023.03.10 損益の推移
今週は見込み損益が少し増えました。
ETFの分配金が決定したので、それも計上していますが…少なすぎて差がわからないですね。
それでも、わずかな利益でもコツコツと貯めていくのです。
3月2週目のまとめ
米国の金融不安もあって、日本株は高値から急落へ、ということになりました。
破綻した銀行はそこまで大きなところではなくて、直接の影響では大規模な金融危機になる可能性は低いのだそうです。
でも破綻の連鎖でリーマンショック級になるのでは…という煽りもあって、危機回避の面もあって高値をつけている日本株は利益確定の売却という流れになっているのでしょうか。
米国政府や中央銀行は規模が大きくなることは避けたいようで、公的資金の注入や緊急利下げなどもあるかもしれません。
まだそれほど深刻な事態には発展していませんが、かといって楽観視しすぎるわけにもいかない。
対応が難しいのですが…ある程度の売却ラインを想定しつつ、下げ止まり・反発に期待してある程度保有して、下がったら買い増せる資金を確保しておく。
いまのところ、現状維持といった感じでしょうか。
先週の運用状況はこちらのページになります。
それ以前の運用状況はこちら→株式ETF運用状況・過去ログ
個別の銘柄について、なぜその銘柄に投資したのか、または投資しない理由などを解説しているページもありますので、よろしければそちらもご覧ください。→株式ETF・銘柄解説のページ
※これはあくまでも、やすふじ個人の投資状況であり、投資を推奨するものではありません。
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